RasおよびRaplaによるRaf-1およびB-Rafの調節機構
Project/Area Number |
10770050
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General medical chemistry
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
岡田 知代 神戸大学, 医学部, 助手 (80294205)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1999: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | Ras / Rap1A / Raf-1 / B-Raf / Cysteine-rich domain |
Research Abstract |
癌遺伝子産物Rasがそのeffettor分子であるRafを活性化する際、2種類の結合が必要である。第一の結合はRasのeffector領域と、Raf-1のRas-Binding Domain(RBD)との結合であり、第二の結合はRasのactivater領域と、RafのCysteine-Rich Domain(CRD)を介するものである。Rap1AはRasと同一のeffector領域を有しRBDと結合するが、Raf-1を活性化できず、むしろRasによるRaf-1活性化を阻害する。しかしB-Rafは活性化することができる。我々はRap1AがCRDと非常に強く結合し、このためRaf-1の活性を抑制することを見出しており、本研究では、Rap1AおよびRasと、RafのCRDとの結合親和力の程度によりRafの活性化と活性化阻害が調節されているとの仮説を立て、昨年度までに、Raf-1とB-Rafの各ドメインを交換した種々のキメラ変異体、特にCRDを入れ替えたキメラ変異体を作成し、その活性を測定した結果、B-RafのCRDを持ったRaf-1はRap1Aにより活性化され、逆にRaf-1のCRDを持ったB-RafはRap1Aにより活性化されなくなるという結果を得ている。さらにRaf-1およびB-RafのCRDにランダムに変異を導入したプールを作成し、その中からRasに対する結合は野生型と同様であるが、Rap1Aに対する結合が増強しているB-RafのCRDの変異体、K252E/M278Tを見出した。この変異体のRasおよびRap1Aによる活性を測定したところ、Rasによる活性は有するが、Rap1Aによる活性は消失していた。本年度はさらにRaf-1CRDとB-RafCRDの、RasおよびRap1Aに対する結合親和性を、32PラベルしたGTP_γSを用いることにより、定量的に測定し比較した。この結果、Rap1AのB-RafCRDに対する結合は、Raf-1CRDに比較し、約10倍程度低下していた。一方Rasの、B-RafCRDおよびRaf-1CRDに対する結合力は同程度であった。以上の結果により、RasおよびRap1Aと、RafのCRDとの結合親和力を介するRafの活性調節機構、すなわちRafCRDとの強すぎる結合は活性を阻害し、適度な結合により活性化されるという機構を明らかにし得た。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)