Research Project
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
[目的]胃内分泌細胞癌における内分泌細胞癌部分、共存腺癌部分のp53変異パターンの比較検封により、胃内分泌細胞癌の組織発生経路を明らかにする。[材料・方法]ホルマリン固定・パラフィン包埋された胃内分泌細胞癌15症例。これらを組織切片上で腺癌(Ad)部分と内分泌細胞癌(ECC)部分とに細分。細分された各病変ごとにDNAを採取、PCR法・ダイレクトシークエンシング法を経てp53遺伝子変異(exon5-8領域)の検索を行った。[結果]1)9症例でAd部分とECC部分とに共通のp53変異パターンを認めた。このうち3例のAd部分において、採取領域により異なる変異(heterogeneity)が認められた。さらに1例ではexon6に共通変異がみられ、ECC部分ではexon5に別変異が重複して加わっていた。なお3例ではAd/ECC部分ともwild typeであり免疫組織化学法にても蛋白過剰発現は認められなかった。2)2症例では、Ad部分とECC部分とで異なる変異が検出された。[考察]60%の症例においてAd部分とECC部分とに共通したp53変異が認められたことから、内分泌細胞癌は粘膜内に先行発生した腺癌領域がその発生母地である可能性が高い。またp53からみて腺癌部分にmultiple clonesが存在し、内分泌細胞癌発生に際してはclonal selectionが起きている可能性が示唆される。
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