Phosholipase C γ-1ダブルノックアウトマウスの病態解析
Project/Area Number |
10770092
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Experimental pathology
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
澤 洋文 北海道大学, 医学部, 助教授 (30292006)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | PLC-γ1 / in situ hybridization / ノックアウトマウス / Phospholipase Cgamma / ダブルノックアウトマウス / Polycystic kidnev / 細胞内情報伝達機構 |
Research Abstract |
Phospholipase C (PLC)-γ1はさまざまな細胞に発現しており、増殖因子レセプターやT細胞レセプターのシグナル伝達に関与している。申請者らはマウスの発生・成熟におけるPLC-γ1の役割を調べる目的で、PLC-γ1欠損マウスを作製したところ、同マウスは胎生8〜9日で死亡しまうことが分かった。さらに解析を進めるために、PLC-γ1の両対立遺伝子を破壊したマウス胎児幹細胞(PLC-γ1^<-/->ES細胞)と正常C57BL/6マウスの胚盤胞とで、キメラマウスを作製した。キメラマウスを構成するES細胞由来の細胞(PLC-γ1^<-/->細胞)と胚盤胞由来の正常細胞は、ES細胞由来のリンパ球表面抗原のLy9.1,glucosephosphate isomerase(GPI)アイソザイム、Y染色体(ES細胞はXYなので、メスのキメラマウスを用いればXX正常細胞と区別できる)をマーカーにして識別可能である。これらマーカーを用いて、フロ・サイトメトリーによる血液細胞の解析、各臓器のGPI解析とY染色体in situ hybridizationによる組織学的解析を行った。その結果、PLC-γ1^<-/->キメラマウスでは、Ly-9.1陽性リンパ球がほとんど検出されず、骨髄,胸腺,脾臓,赤血球でES細胞由来のGPIアイソザイムも検出されなかった。また、キメラマウスの腎は尿細管が拡張して水腎症様を呈し、拡張した尿細管上皮のほとんどはY染色体陽性細胞で占められていた。その他の臓器には明らかな組織学的異常は認められなかった。 以上の結果により、PLC-γ1は造血幹細胞の分化と腎の発生に深く関与していることが示唆された。PLC-γ1は造血因子を含む種々の増殖因子レセプターのシグナル伝達に関与している。これら複数の細胞増殖・分化シグナルの異常が集積した結果、PLC-γ1^<-1->マウスは胎児期に死亡したと考えられた。現在以上の結果をまとめて雑誌に投稿中である。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)