病原性酵母カンジダの倍数性変換と染色体再配列を制御する遺伝子の解析
Project/Area Number |
10770117
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Bacteriology (including Mycology)
|
Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
岩口 伸一 奈良女子大学, 理学部, 講師 (40263420)
|
Project Period (FY) |
1999
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
|
Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1999: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
|
Keywords | Candida albicans / 染色体再配列 / 倍数性変換 / RAD5 / SPS1 |
Research Abstract |
日和見感染菌Candida albicansは通常二倍体だが、いくつか菌株では多倍数化した細胞の出現とそれに続く倍数性の減少すなわち倍数性変換が認められ、同時に染色体再編成が生じている。したがって倍数性変換がゲノムの変化を誘導する可能性を示唆している。倍数性変換を示す株の表現型はSps^-(suppresser of ploidy shift)で表される。それに対し、核相が一定である株の表現型はSps^+で表される。細胞融合実験からSps変異は劣性であることが示されているので、Sps^+株のゲノムDNAライブラリーをSps^-株に形質転換し、フロキシンB培地上で白い集落を形成すること、集落形態が滑面となること、増殖速度が速くなること、核の形態が一核となることという選択条件を設定しSPS遺伝子の単離を試みた。前年度に遺伝子破壊株であるSTN21U-1株に形質転換実験を行い、上記の選択方法に基づいてSps^+を示す13個の形質転換体を得た。本年度はその中からNo.115株をSPS遺伝子をもつ候補として選び出した。この株は細胞集団中にSTN21U-1株で観察される細胞よりも小さな細胞を生じる傾向があった。このNo.115株からプラスミドDNAを回収し、インサート部分をサブクローニングし、塩基配列を決定後に相同性検索を行ったところ、RAD5(REV2)遺伝子と高い相同性が見られた。Rad5タンパクはDNA修復タンパクのひとつであり、DNAへリカーゼであると考えられているが、詳しい機能については明らかにされていない。Rad5変異株では組み換えの頻度があがることが報告されているので、Sps^-株で染色体再編成が高頻度に起こるのは、RAD5遺伝子の変異に由来しているかもしれない。また、Sps^-株で高次倍数化するのは、RAD5の未知の機能が損なわれたためかもしれない。以上のことからRAD5がSPS遺伝子群の有力な候補の1つである可能性が考えられた。現在、RAD5遺伝子の機能解析を試みている。
|
Report
(2 results)
Research Products
(1 results)