ボツリヌスprogenitor toxinの分子構造と赤血球結合性について
Project/Area Number |
10770118
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Bacteriology (including Mycology)
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
井上 薫 岡山大学, 医学部, 助手 (40260103)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1999: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | ボツリヌス菌 / neruotoxin / progenitor toxin / 赤血球凝集素 / neurotoxin |
Research Abstract |
ボツリヌスC,D型菌から赤血球凝集活性を示す無毒成分(HA)を含むprogenitor toxin(16S toxin)を精製し、糖脂質、糖蛋白質に対する結合の性質を調べた結果、以下のことが明らかになった。 1)ボツリヌスC,D型16S毒素はシアル酸を含む糖脂質であるカングリオシドに結合したが、中性糖脂質や硫酸化粧脂質には結合しなかった。 2)C,D型16S毒素と赤血球から抽出した糖脂質との結合を調べた結果、毒素は赤血球のGM3とSPG(シアロシルパラグロボシド)に主として結合することが明らかになった。 3)C,D型16S毒素はトランスフェリン、フェチュインなどのシアル酸を含む糖蛋白質に結合したが、シアリダーゼ処理したこれらの糖蛋白質には結合しなかった。 4)C,D型16S毒素と赤血球から調製した膜蛋白質との結合を調べた結果、毒素は赤血球表面の主要な糖蛋白質であるグライコホリンに結合することが判明した。毒素は精製した(購入した)グライコホリンにも結合した。これらの結合は赤血球やグライコホリンをシアリダーゼ処理することによって消失した。 これらの結果から、ボツリヌスC,D型16S毒素は糖脂質や糖蛋白質のシアル酸を含む糖鎖を認識して結合することが明らかになった。前年度の研究から赤血球をプロテアーゼ処理することによって凝集活性が減少することが明らかになっているので、毒素は赤血球に主として糖蛋白質(グライコホリン)を介して結合していることが示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(13 results)