リンパ球幹細胞の分化決定における転写調節因子の役割
Project/Area Number |
10770139
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Immunology
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小川 峰太郎 京都大学, 大学院・医学研究科, 助手 (70194454)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1999: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 胚性幹細胞 / 血液細胞 / 血管内皮細胞 / 中胚葉 / 転写因子 / 試験管内分化 / GATA1 / Tal1 / 個体発生 / 転写調節因子 / 細胞分化 / 細胞接着分子 |
Research Abstract |
前年度までに、ES細胞の試験管内分化系を用いて、中胚葉および血管内皮細胞から造血細胞系譜へ至る発生過程を解析した。その結果、転写調節因子GATA1を発現する側部中胚葉細胞およびα4インテグリンを発現する血管内皮細胞を、それぞれ胚型赤血球および成体型血液細胞系譜の前駆細胞として同定した。本年度は、転写調節による血管細胞系譜の分化決定機構の解明をめざして、転写調節因子の発現誘導による細胞運命決定の実験的制御を試みた。まず、側部中胚葉マーカーであるFLK1および血管内皮細胞マーカーであるVE-カドヘリンの遺伝子プロモーターを用いて、ES細胞の試験管内分化系における側部中胚葉および血管内皮細胞特異的な外来遺伝子の発現誘導を試みた。その結果、これらのプロモーターではそれぞれの細胞系譜に特異的で十分な発現誘導を得ることが出来なかった。次に、アクチンプロモーターを利用した細胞系譜非特異的な強制発現系を用いて、Tall、GATA1、GATA2、の血管細胞発生に及ぼす影響を検討した。GATA1およびGATA2の強制発現においてはES細胞から中胚葉への分化が阻害され、それ以上の解析が不可能であった。テトラサイクリン応答性の誘導的発現などが必要であると考えられ実験系の構築している。Tallを強制発現するES細胞では、側部中胚葉および血管内皮細胞からの血液細胞分化の顕著な亢進が認められた。この場合においても側部中胚葉と血管内皮から分化する血液細胞系譜はそれぞれ胚型赤血球と成体型血液細胞系譜に限られており、Tallは血液細胞系譜への分化決定に関与するが血液細胞系譜内での運命選択には関与しないことが示唆された。さらに、GATA1プロモーター制御下でのGFP発現系と組み合わせることにより、側部中胚葉におけるTallの強制発現は中胚葉細胞から血液細胞への分化のごく初期段階に働くことが見いだされ、上記の結果を強く支持するものと考えられる。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)