Project/Area Number |
10770141
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Immunology
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
入江 厚 熊本大学, 大学院・医学研究科, 助手 (30250343)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1999: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | CD4^+T細胞 / MHC / ペプチド抗原 / 抗原提示細胞 / 部分アゴニスト / altered peptide ligand / antibody binding capacity / HLA-DR / T細胞 / HLA / インテグリン / T細胞受容体 |
Research Abstract |
本研究はインテグリン分子によるT細胞活性化機構の解明を目的とし、その研究途上で平成11年度において以下の成果を得た。 抗原ペプチドの一部のアミノ酸を他に置換したアナログペプチドは、MHC分子と複合体を形成した際に、T細胞輪部分的にしか活性化せず、T細胞の増殖応答を誘起できないもの(部分アゴニスト)が存在する。部分アゴニストが不完全な反応しかT細胞に誘導できない理由として、部分アゴニスト-MHC複合体とTCRとの結合は、アゴニスト-MHC複合体とTCRとの結合を比較して、親和性が低く十分なシグナルを伝達できない可能性がある。そこで部分アゴニストペプチド-MHC複合体とTCRとの結合時間の不足を、部分アゴニストを抗原提示細胞上に過剰に発現させることにより補い、T細胞の増殖応答が誘導されるか検討した。ヒトT細胞クローンYN5-32はHLA-DR4拘束性に溶連菌由来のペプチド(M12p54-68,NRDLEQAYNELSGEA)を認識する。このアナログで部分アゴニスト活性を持つE58N,Q59G,Y61V,E63Vの各ペプチドとHLA-DR4分子の複合体を様々なレベルで発現するL細胞クローンを樹立し、これらに対するYN5-32の増殖応答を検討した。その結果、抗体結合能値(antibody binding capacity)換算で、E63VではL細胞あたり2x10^6発現すればT細胞を増殖させ、Q59Gでは3x10^4から1.7x10^6の範囲で発現量の増加に伴いT細胞の増殖応答がみられた。しかし、E58N、Y61Vおよびアンタゴニスト活性を持つE63RではL細胞あたりそれぞれ1.2x10^6、3.7x10^6、8x10^6発現していてもT細胞の増殖応答はみられなかった。以上より、Low-affinity TCR ligandでも、抗原提示細胞上での過剰発現によりHigh-avidity TCR ligandとなり、末梢成熟CD4^+T細胞に増殖を誘導するものが存在することが示された。
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