新しく発見された動物レクチンGalectin-9の研究
Project/Area Number |
10770199
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
内科学一般
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
和田 淳 岡山大学, 医学部, 助手 (30294408)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1999: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | Galectin-9 / アポトーシス / T細胞 / 抗基底膜抗体型腎炎 / WKYラット |
Research Abstract |
Galectin-9は胸腺細胞の細胞膜上の糖鎖に結合しアポトーシスを誘導することが知られている。またgalectin-1も活性化T細胞や胸腺細胞に対して同様の効果が報告されている。よってGalectinはT細胞が関与する自己免疫疾患に対して免疫抑制剤のとなりうる可能性がある。ウサギ抗糸球体基底膜抗体をWKYラットに投与し半月体形成性腎炎を惹起しGalectinによる腎炎抑制効果を検討した。このモデルではウサギ抗体が糸球体基底膜に結合した後、ウサギIgGに対する抗体が産生され、さらに基底膜に結合することにより組織障害が進展する。また糸球体にCD8^+細胞の浸潤を来たし、その後のマクロファージ浸潤を促すことによりさらなる組織障害をもたらすと考えられている。デキサメサゾンの投与は、抗ウサギIgG抗体の産生を完全に抑制し、糸球体内への細胞浸潤も完全に抑制することにより、組織障害、蛋白尿を改善した。Galectin-9の投与では抗ウサギIgG抗体の産生は抑制されないものの、糸球体内へのCD8^+細胞の浸潤を抑制し、その後のマクロファージの浸潤を抑制し、改善効果を認めた。一方Galectin-1やGalectin-3の投与では抗体産生、CD8^+細胞の糸球体への浸潤を抑制しないもののマクロファージの浸潤を抑制した。ラット脾から採取したリンパ球でアポトーシスを検討したところ、デキサメサゾンはCD4^+、CD8^+細胞ともにアポトーシスを誘導したが、Galectin-9は活性化CD8^+細胞に対して特異的にアポトーシスを誘導した。Galectin-1やGalectin-3はin vivoではアポトーシスを誘導しなかった。以上よりGalectin-9の半月体形成性腎炎に対する治療効果は主としてCD8^+細胞にアポトーシスを誘導することにより発揮され、より副作用の少ない免疫抑制剤開発の端緒となる。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)