Project/Area Number |
10770214
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
内科学一般
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
黒川 真奈絵 聖マリアンナ医科大学, 難病治療研究センター, 助手 (90301598)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1999: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1998: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | T細胞 / T細胞受容体 / single cell PCR法 |
Research Abstract |
[目的] 慢性関節リウマチ(RA)および全身性エリテマトーデス(SLE)などの膠原病患者では、末梢血および病変局所にてクローナルに増殖したT細胞が検出され、特定の抗原に対しての免疫反応が亢進していることが示唆される。本研究では、これらの増殖T細胞クロノタイプが認識する抗原を同定するために、TCRα/β鎖の組み合わせを細胞のクローン化を行わず試験管内で簡便に同定、再構築することを目的とする。今回は、SLE患者末梢血中増殖T細胞クロノタイプを例にとり、T細胞受容体(TCR)αβ鎖の組み合わせを単一細胞からの遺伝子増幅法(single cell PCR法)にて同定し、同TCR分子を試験管内で再建する。 [方法] 患者末梢血より単核球を分離、抗TCRAV12抗体で染色し、陽性細胞を単一細胞として分取する。各細胞よりRT-PCR法にてTCRα鎖遺伝子を増幅し、塩基配列決定法にて増殖T細胞クロノタイプのTCRα鎖CDR3領域の配列を同定する。増殖T細胞クロノタイプ由来のcDNAより、TCRβ鎖遺伝子をPCR法にて増幅し、塩基配列決定法にて同クロノタイプのTCRβ鎖CDR3領域の配列を決定する。ペアと同定されたTCRα、β両鎖の全長の遺伝子をリンカーを介してタンパク発現用のプラスミドベクターにサブクローニングし、大腸菌内で一本鎖のタンパクとして発現させ、高次構造を再構築する。 [結果] 18個のTCR AV12陽性細胞よりTCRα鎖CDR3領域の塩基配列が得られ、うち10個(56%)が、3'AV-NDN-5'AJのアミノ酸配列が、YFCA-LSEAT-SGSA(J22)、3個(17%)がYFCA-LSEPT-NNAG(J39)という配列を示し、2個の増殖T細胞クロノタイプが検出された。両クロノタイプともBV2ファミリーを使用しており、3'BV-NDN-5'BJのアミノ酸配列は各々YIC-RAGQD-SYEQ(J2S7)、YICSA-RAGGT-YNEQ(J2S1)であった。上記の方法で再構築した前者クロノタイプのTCR分子は、抗TCR AV12抗体と抗TCR BV2抗体にて認識された。 [結論] 膠原病患者由来増殖T細胞クロノタイプのTCRαβ鎖の組み合わせが、single cell PCR法にて同定された。試験管内で再構築したTCR分子は、高次構造が再建されていた。今後このTCR分子を用いて増殖クロノタイプが認識している抗原を検出することが可能であり、各種膠原病の病因抗原が発見されることが期待される。
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