Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1999: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Research Abstract |
研究の目的:肝発癌過程における遺伝子変化は今なお不明であるが、これまでの解析結果から、DNAミスマッチ修復遺伝子の異常にもとずく遺伝子不安定化及び癌抑制遺伝子の不活化が、肝の多段階発癌及びclonal expansionに関与していることが推定される。硬変肝及び肝癌組織のDNAミスマッチ修復遺伝子(hMSH2,hMLH1,hMSH3,hMSH6,)及び癌抑制遺伝子(p53,p16/INK4A,p73)の解析を行い、肝多段階発癌におけるDNAミスマッチ修復系の異常と癌抑制遺伝子の不活化の関与を明らかにしたい。 本年度の研究結果:Replication errorが認められた肝硬変の再生結節及び肝細胞癌組織において、DNAミスマッチ修復遺伝子系の異常の有無を、PCR-SSCP及びダイレクトシークエンス法にて解析した。また、各遺伝子変化と組織学的異型度・進展度及び予後との関連を解析し、肝細胞癌の多段階発癌におけるDNAミスマッチ修復系及び癌抑制遺伝子の果たす役割を検討した。 その結果、Replication errorをともなった肝硬変の再生結節の一部で、DNAミスマッチ修復遺伝子(hMSH2,hMLH1,hMSH3,hMSH6,)に点突然変異が認められた。しかしながら、同時に検索した癌抑制遺伝子(p53,p16/INK4A,p73)には変異は確認できなかった。肝癌組織では、組織学的異型度及び腫瘍径の増大にともない、DNAミスマッチ修復遺伝子及び癌抑制遺伝子の異常の蓄積傾向が認められた。
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