IL-5受容体欠損マウスを用いた小腸粘膜でのIL-5とビタミンAの相互作用の解析
Project/Area Number |
10770232
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Gastroenterology
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
ニ川 健 (二川 健) 徳島大学, 医学部, 助手 (20263824)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1999: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | ビタミンA / IL-5受容体欠損マウス / IgA / Th2サイトカイン / 小腸粘膜免疫 / LI-5受容体欠損マウス |
Research Abstract |
小腸粘膜は管腔の栄養素にとても影響を受けやすい臓器であることに注目し、栄養素による小腸粘膜の免疫機能への作用について研究を行ってきた。今回は、低蛋白質栄養により傷害された粘膜免疫に対するビタミンAの修復効果には、IL-5の細胞内伝達経路が必須であることをIL-5の受容体欠損マウスを用いて解析した。1%のカゼイン蛋白質食は飼育2週目よりマウスの腸管粘膜内のIgA量をほぼ半分にまで減少させた。そこで、IgA産生形質細胞の増殖・分化を制御するTh2サイトカインのIL-4,IL-5,IL-6量をELISA法で測定すると、低蛋白質食のマウスではIL-4とIL-5量が有意に減少することがわかった。次に、低蛋白質食で飼育したマウスにビタミンAを投与すると、マウスの小腸粘膜ではビタミンAによる粘膜内IgA量の回復に伴い、粘膜中のIL-5量の選択的な増大も観察された。IL-4とIL-6は、ビタミンAにより軽度上昇するものの有意差はなかった。以上の結果より、ビタミンAによる粘膜内IgAの産生亢進は、IL-5のIgA産生亢進作用によることが示唆された。そこで、この仮説を確認するため、東京大学医科研の高津先生よりIL-5の細胞シグナルが全く伝達されないIL-5受容体a鎖の欠損マウスを御供与いただいた。IL-5受容体の正常なマウス(IL-5R^<+/+>マウス)、ヘテロ欠損マウス(IL-5R^<+/->マウス)とホモ欠損マウス(IL-5R^<-/->マウス)にそれぞれ1〜3mgのビタミンAを経口投与すると、IL-5R^<+/+>マウスとIL-5R^<+/->マウスでは、粘膜内のIgA量が有意に増大したが、IL-5R^<-/->マウスではIgA量が全く増大しなかった。これらすべての群で粘膜内のTh2サイトカインレベルはほぼ同じで、ビタミンA投与に対しても同様に反応し増大した。このIL-5R^<-/->マウスのビタミンAに対する粘膜内IgAの無反応は、小腸粘膜におけるIgA産生にはIL-5が重要な働きをしていることを強く示唆した。
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Report
(2 results)
Research Products
(16 results)