Project/Area Number |
10770262
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Respiratory organ internal medicine
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
田辺 信宏 千葉大学, 医学部・附属病院, 助手 (40292700)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1999: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | 慢性血栓塞栓性肺高血圧症 / 血管内視鏡 / 肺血栓塞栓症 / 動脈硬化 |
Research Abstract |
慢性血栓塞栓性肺高血圧症を対象に、血管内視鏡を施行し、血栓の部位や2次性肺高血圧性変化を正確に評価し、手術の効果を正確に予測し成績の向上をはかる事を目的とした。平成10年度の検討で、血管内視鏡のアプローチ方法としてはカイドワイヤー法よりもガイディングカテーテルを使用する方法が容易であること、また区域枝およびより末梢の血栓の観察に内視鏡が有用であることが明らかになったため、平成11年度は、先端側方付きバルーンカテーテルで誘導し、オリンパス社製AF type14で観察するアプローチで慢性例8例(年齢50±6歳、平均肺動脈圧36±9mmHg 肺血管抵抗673±35dyn・s・cm^<-5>)、急性例2例に施行し、葉から亜区域レベルの肺血管を観察した。結果、慢性例においても、白色器質化血栓の他、3例で赤色血栓がみられ、肺動脈造影では、特に壁在血栓の場合その質的診断は困難であった。慢性例で赤色血栓の存在する症例の肺血管抵抗は比較的低く、血栓栓溶解療法の可能性を示唆した。さらに、血栓のない血管において強い黄色変化、薄い黄色変化、正常壁所見がみられ、同程度の肺血管抵抗でも壁の動脈硬化所見に差があることが明らかとなった。手術適応を考える上で、血栓閉塞に加え動脈硬化病変の把握が重要で、肺動脈造影上の末梢血栓に加え、内視鏡で動脈硬化病変が極めて強い症例は手術適応外とした。2例に手術を施行し、著明な改善がみられた。また、急性例で血管内視鏡にてはじめて残存血栓が検出される症例を経験し、症例報告した。血管内視鏡は、血栓の確定診断、質的診断、肺動脈腫瘍との鑑別に有用で、今後動脈硬化病変の評価にも使用されうると考えられた。
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