Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1999: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Research Abstract |
P100セリンプロテアーゼ遺伝子とその多様性の有無を明らかにし,易感染性体質の遺伝子診断への応用を期待して本研究を実施している.本年度は1.P100成分のゲノム偽遺伝子の解析,2.易感染性小児のP100分析診断のためのRaRF血中濃度測定計の確立について検討し,以下の成果を報告する. 1.ヒトP100セリンプロテアーゼのゲノム偽遺伝子の発見と解析 (1)ヒトP100のゲノム遺伝子構造解析において,エクソン5-7の領域で偽遺伝子の存在が示唆された. (2)ヒトゲノムDNAに対して,少なくとも1つのイントロンを含む領域でPCRを行い,P100遺伝子と偽遺伝子を増幅し,得られたPCR産物をアガロース電気泳動後ゲルから切り出し塩基配列を決定した. (3)PCRの結果,エクソン2-3,3-4,4-5,12-13の4領域でイントロンを欠く配列が増幅された. (4)これらの増幅産物の内,エクソン4-7と12-13の領域の塩基配列をP100cDNAの塩基配列と比較したところ,それぞれ98%と97%の相同性を持つ偽遺伝子の存在が確認された. 2.易感染性小児のP100分析診断のためのRaRF血中濃度測定計の確立 (1)易感染性患者におけるP100遺伝子多型を発見するための絞り込み方の1つとして,血中P100量を測定するための酵素抗体測定系(ELISA)確立に向け,ヒト血清からRaRF複合体を精製し,これを抗原に用いてモノクローナル抗体作製を試みた. (2)抗MBL抗体はすでに得られた.現在,抗P100抗体を作製中である. 今後は1.偽遺伝子の影響を回避したPCR-SSCPによるP100遺伝子の多型解析,2.ELISA法による患者血中P100セリンプロテアーゼの定量法の確立を目的に研究を継続する.
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