Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1999: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
当施設にて分離されたH.influenzae202株における薬剤感受性およびβ-ラクタマーゼ産生能,莢膜型別について検討した.また,カルバペネムに対して耐性を示す数株が存在し,同株についてペニシリン結合蛋白(PBPs)のIPMに対する薬剤親和性をS.D.Makoverらの方法に準じて検討した. 1)薬剤感受性試験 検討薬剤23薬剤のうち,注射薬では第3世代セフェムが良好であり,中でもCTRXはMIC90が0.025μg/mlと最も強い抗菌力を示し,ついでCTX,CPRの順であった.ABPCに対してMICが1.56μg/ml以上の株は40株で,うち16株がβ-ラクタマーゼ産生株であり,残る24株はβ-ラクタマーゼ非産生ABPC耐性株(BLNAR)と考えられた.カルバペネムはMEPMのみ全株感性でMIC90は0.2μg/mlと良好であったが,他剤ではMIC90はIMP,PAPM,で1.56μg/ml,BIPMでは3.13μg/mlとなっており,IPMで12.5μg/ml,PAPMで6.25μg/mlという高いMICを示す株が存在した.経口薬では新経口セフェムが良好な抗菌力を有しており,MIC90はCDTRが0.05μg/mlと最も良好,次いでCEPN,CPDXの順であった. 2)β-ラクタマーゼ産生能 β-ラクタマーゼは202株中16株(7.9%)が産生していた. 3)莢膜型別 有莢膜株が30株(14.8%),nontypeableが172株(85.1%)であった.有莢膜株のうちわけはtype bが40株,type eが4株,type aとcが1株,type dとfは同定されなかった. 4)PBPs親和性の検討 IPM耐性株では7種のPBPsのうちPBP4およびPBP5においてIPMに対する親和性が低下しており,IPMに対する耐性獲得の機序にPBP4および5の変異が関与していることが示唆された.
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