Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1999: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
メラノーマ由来のペプチド抗原#810,#707に対する抗体(抗#810抗体および抗#707抗体)の産生能に対する糖脂質ガングリオシドの作用を検討した。各種ガングリオシドのうち,GD1aはメラノーマ患者末梢血単核球のin vitroにおけるlgG型抗#810抗体,抗#707抗体およびpolyclonal lgGの産生能をいずれも増強した。GD1aは患者のB細胞には直接作用せず,単球のIL-6,IL-10産生を促進することによってB細胞の分化を促し,間接的にその抗体産生を増強した。さらにGD1aの単球に対する作用は,細胞内Ca^<2+>/calmodulin-dependent phosphodiesterase活性の増強を介していることが判明した。GD1aは健常者においてもその末梢血単核球のpolyclonal lgGの産生を増強したが,この作用も健常者の単球IL-6,IL-10産生を促進することにより生じていた。しかし,健常者においては特異抗体である抗#810抗体,抗#707抗体の産生は誘導しなかった。以上の結果から,GD1aは特異抗体を含めたpolyclonal lgGの産生を促し,ヒトの液性免疫反応を全般的に増強すると考えられた。GD1aはT,B細胞,単球の^3H-チミジンの取り込みやアポトーシスには影響せず,またこれらの細胞に対する非特異的な毒性作用も示さなかった。一方,GD1b,GT1bはメラノーマ患者末梢血単核球の抗#810抗体,抗#707抗体産生を抑制した。今後は,メラノーマ患者において自己メラノーマを破壊する細胞障害性T細胞の誘導に対する各種ガングリオシドの作用およびその作用機序について検討する予定である。
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