B16メラノーマ担癌マウスで生ずるNK活性の抑制機構に関する研究
Project/Area Number |
10770401
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Dermatology
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
瀬尾 尚宏 浜松医科大学, 医学部, 助手 (50283354)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 腫瘍免疫 / 免疫抑制 / CTL / Th3細胞 / Tr1細胞 / γδT細胞 / TGF-β / B16メラノーマ / NK細胞 / NKT細胞 / Th1サイトカイン / Th2サイトカイン / H-2K^b / 癌免疫 |
Research Abstract |
B16メラノーマ腫瘍局所には、初期にB16細胞障害活性を持つNK1.1陽性のNK細胞の他、γδTCRまたはαβTRC陽性T細胞が、また中期以降では初期に現れる細胞群の割合が減少し、変わりにB16細胞障害性細胞としてCD8陽性の典型的な細胞障害性T細胞(CTL)の他、CD4陽性のT細胞が多量に浸潤していることが判明した。次に初期のγδTCRまたはαβTCR陽性T細胞や中期以降のCD4陽性細胞など、B16障害能を持たない浸潤細胞の性質を検討した結果、以下の事実が判明した。 1:初期のγδT細胞とαβT細胞 (1)γδT細胞とαβT細胞どちらも胸腺外分化した細胞であり、CD4CD8DNの表現型を示し、γδTCRとしてはVγ6使用している頻度が高かった。 (2)ELISPOTアッセイやRT-PCRによる解析により、γδT細胞とαβT細胞どちらもIL-4,IL-10,TGF-βを産生するTh3タイプの細胞である。 (3)γδT細胞とαβT細胞どちらもTGF-β依存的にNK細胞の細胞障害活性、増殖、IFN-γ産生能を強く抑制する。 (4)B16担癌初期の局所からγδT細胞やTGF-β活性を抗体により除去すると、B16細胞の増殖が極端に弱まる。 2:中期以降のCD4陽性T細胞 (1)CD4陽性T細胞は胸腺分化した細胞で、CD25陽性CD45RB微陽性の表現型を示す。 (2)ELISPOTアッセイやRT-PCRによる解析により、B16腫瘍浸潤CD4陽性T細胞はIL-4,IL-10,TGF-βを産生するTh3タイプの細胞とIL-10,TGF-β,微量のIFN-γを産生するTr1タイプの細胞より構成されていることが判明した。 (3)B16腫瘍浸潤CD4陽性T細胞は抗CD3抗体による刺激に無反応で、IL-10とIL-2の補助により安定に長期間増殖できる細胞群である。 (4)B16腫瘍浸潤CD4陽性T細胞と同様の性質を示す細胞が、同じ時脾臓にも多量に存在する。 (5)B16腫瘍浸潤CD4陽性T細胞はTGF-β依存的にTh1細胞の誘導を強く抑制する。これにより効率的なCTLの誘導を妨げる。
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Report
(2 results)
Research Products
(13 results)