Project/Area Number |
10770403
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Dermatology
|
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
濱中 浩子 (浜中 浩子) 三重大, 医学部附属病院, 助手 (80242957)
|
Project Period (FY) |
1998 – 1999
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
|
Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1999: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | キノロン剤 / 光線過敏症 / 光毒性反応 / メラノサイト / メラニン |
Research Abstract |
キノロン系薬剤が光毒性物質であることはよく知られており、キノロン剤による光線過敏症の報告は増加の一途をたどっている。一方、キノロン系薬剤はメラニンと高い親和性を持ち、頭髪に長時間蓄積されること、また、有色家兎では白色家兎に比較してキノロン剤の虹彩・毛様体内濃度が高く、長時間蓄積されることがわかっている。我々は光毒性反応が生ずる際に皮膚組織内のキノロン剤の濃度が高くなっており、それにメラニンが関与しているのではないかと考え、キノロン剤のメラニン含有量の差により光毒性に影響がないかを調べるために以下の実験を計画した。メラニン含有に富むmelanotic cell lineとメラニン含有量に乏しいamelanotic cell line 2群で半減期の長いキノロン剤であるスパルフロキサシン添加時の紫外線UVA照射による細胞障害性を検討し、さらに2つのcell lineの培養細胞中のスパルフロキサシンの濃度測定を行なった。キノロン剤単独添加時の細胞毒性および紫外線(UVA)単独照射時の光障害性に2群間で有意差はみられないものの、キノロン剤と紫外線の両存在下での2群間の細胞障害性はある一定の濃度および光線量で有意差をもってmelanotic cell lineの方高かった。また、HPLC法にて測定した2つのcell lineの培養細胞中のスパルフロキサシンの細胞内濃度もmelanotic cell lineの方が高かった。この研究において、メラニン含有量の多い細胞の方がキノロン剤の細胞内濃度が高くなり紫外線による細胞障害をより強く受けるという結果が得られたため、今後開発される薬剤のメラニン親和性による光毒性のスクリーニングの実験系として有効に利用できる可能性が考えられる(詳細は現在投稿中)。
|