放射線増感剤が腫瘍の組織内酸素分圧と照射効果にもたらす影響の基礎的研究
Project/Area Number |
10770435
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Radiation science
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
那須 佐知子 群馬大学, 医学部, 助手 (50292602)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1999: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 低酸素 / アポトーシス / 腫瘍内酸素分圧 / 放射線 / p53 / hypoxia / 細胞周期 |
Research Abstract |
放射線はアポトーシスを誘導することはよく知られているが、低酸素状態によるDNA損傷もアポトーシスの誘導を起こすという報告が散見される。一方で低酸素細胞は放射線感受性が低いということは従来から報告されている。今回低酸素状態と放射線及びそれらの併用についてアポトーシスとの関係を、可移植腫瘍を用い検討した.腫瘍はヒト上衣芽腫由来の放射線高感受性株(p53野生型)をヌードマウスの大腿部皮下に移植し使用した. 1.腫瘍内酸素分圧とアポトーシス:腫瘍内酸素分圧を測定しアポトーシスとの関係を検討したが,明らかな相関はみられなかった. 2.hypoxiaとアポトーシス:hypoxia群ではcontrol群に比べ,アポトーシスの頻度が高い傾向がみられたが,p53蛋白の発現頻度には有意な差は認められなかった.またhypoxiaにした時間が長い方がアポトーシスの頻度が高い傾向がみられた。 3.hypoxiaと細胞周期:フローサイトメトリーを用い,腫瘍細胞の細胞周期を分析した.control群とhypoxia群に明らかな細胞周期の違いは認められなかった. 4.放射線とhypoxia:照射単独群とhypoxiaの30分後に照射した群との,アポトーシスの頻度を比較した.5分間のhypoxia後に照射をした群では照射単独群と明らかな差は認められなかったが、30分後のhypoxia後に照射した群ではアポトーシスの頻度が照射単独群に比して低い傾向が認められた. 今回の検討ではhypoxiaによるアポトーシスの誘導は認められたが,p53依存性やcell cycle arrestとの明らかな相関は指摘できなかった.また照射との併用では,hypoxiaの延長による血管の破壊や,G1停止とアポトーシスの拮抗などの影響の関与の可能性も考えられた.
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)