Project/Area Number |
10770500
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Psychiatric science
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
菊池 周一 国立精神・神経センター, 薬物依存研究部・依存性薬物研究室, 室長 (40300959)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1999: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Keywords | メタンフェタミン / 逆耐性 / 免疫組織化学 / GIRK / GRK / 前頭前野 / 側坐核 / G蛋白質βγサブユニット / in situハイブリダイゼーション / ラット / 腹側被蓋野 |
Research Abstract |
【研究目的】覚せい剤精神病の再発脆弱性の生物学的基盤を解明するため、覚せい剤(メタンフェタミン;MAP)による逆耐性獲得動物におけるG蛋白質介在細胞内伝達系の意義を検討した。前年度は、G蛋白質βγサブユニットの発現変動が逆耐性形成・維持に関与していることを明らかにしたが、本年度はさらに検討を進め、Gβγサブユニットの効果器であるGIRKおよびGRKについて免疫組織学的検討を行った。【方法】成年雄性SDラットを用い、MAP5mg/kgを2週間連続投与して逆耐性を形成し、4-8週間放置した後、MAP(MM群)または生理食塩水(MS群)を再投与した。また対照群(SS群)は生理食塩水を同一条件で投与した。急性投与群(SM群)は生理食塩水を2週間連続投与し放置後、MAP5mg/kgを単回投与した。ウエスタンブロッティング法により抗体(GIRK-1,2,GRK-2,3)の妥当性を検討後、ABC法を用いて免疫染色を行い、単位面積あたりの免疫陽性細胞数を指標として腹側被蓋野、側坐核、線条体、前頭前野における発現を半定量した。【結果】GIRK-1の発現は、前頭前野においてSM群で最終投与後24時間後に発現細胞数が増大したが、1週間後では不変だった。その他の群におけるGIRK-1陽性細胞数の変化は認めなかった。また、GIRK-2は各群、各部位において変動を認めなかった。GRK-2は側坐核において,MM,MS群の各時点およびSM群再投与後24時間の時点において発現が増大していた。GRK-3は、前頭前野において再投与後24時間の時点でSM群における増大、MM群における減少を認めた。【考察】以上から、逆耐性維持の基盤において、側坐核におけるGRK-2の持続性の発現増大が重要な意義を有し、前頭前野におけるGIRK-1、GRK-3の発現調節機構の変化が示唆された。前年度報告したG蛋白質βγサブユニットとの関連については解釈に慎重を要するが、逆耐性形成や維持機構において種々の神経伝達系が関与し、連関するG蛋白質βγサブユニット-効果器を介して細胞内伝達系に複合的な異常が惹起されていることが想定された。
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