Project/Area Number |
10770514
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Hematology
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
飯田 真介 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (50295614)
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Project Period (FY) |
1999 – 2000
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 多発性骨髄腫 / 染色体転座 / 癌遺伝子 / MUM1 / IRF4遺伝子 / 14q+ |
Research Abstract |
免疫グロブリン重鎖遺伝子(IgH)領域を含む染色体転座(14q+)は、80%の多発性骨髄腫(MM)、その前癌病態である半数以上のMGUS症例において認められる事から本症の発癌早期に関与していると推定される。我々はt(6;14)(p25;q32)転座により活性化される原癌遺伝子としてMUM1/IRF4遺伝子を単離した。しかし本転座は染色体末端を含み通常の染色体診断では同定できない。そこでMUM1を含む400kbにわたるPACによる遺伝子地図を作成しこれらとIgH領域のYAC/bacteriophageをプローブとしてdouble colour fluorescence in situ hybridization(DCFISH)による診断法を確立した。その結果MM細胞株の17.6%、症例の20.1%においてt(6;14)転座もしくはIgHのMUM1近傍への挿入が認められることを見い出した。同時にパルスフィールドゲル電気泳動法を用いて転座切断点を解析したところ約400kbの範囲に及んでいる事を見いだした。転座の結果MUM1は常にIgH3'αエンハンサーと近接し過剰発現することを証明した。またMM症例の臨床的特徴については6;14転座陽性例と陰性例において有意な差は認めなかった(Leukemia 13;1812-1816,1999)。さらにMUM1蛋白の正常リンパ節およびリンパ腫における発現を検討した。MUM1はCD38陽性活性化リンパ球の核に強く発現する事、胚中心明領域に分布する7,9%のBリンパ球において発現している事を見い出した。リンパ腫細胞における発現を検討した結果、マントル細胞リンパ腫や濾胞性リンパ腫においては全く発現していないが胚中心以降B細胞に由来すると思われるびまん性大細胞型リンパ腫においては73%の症例で過剰発現している事を見い出した。すなわち多くのBリンパ腫細胞は生理的もしくは病的にMUM1発現が亢進している事を示すものである(Leukemia 14;in press,2000)。またB細胞における腫瘍化能を検討するためEμSVプロモーター下に発現させたMUM1トランスジェニックマウスならびにレトロウイルスを用いて遺伝子導入した安定B細胞株の作成を行い現在その解析を継続している。 さらに14q+上で活性化される新規遺伝子を同定するためMM細胞に認められたt(1;14)(q21;q32)およびt(1;14)(p36;q32)転座切断点の単離を行い1q21に存在するMUM2,MUM3遺伝子(Blood92:2093a,1998)および1p36に存在するE3遺伝子を同定した。またMM細胞で高頻度に転座している20q11座の2切断点を約1.5MbのYAC上に同定し原因遺伝子の検索を継続している。
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