Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1999: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1998: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Research Abstract |
[目的]ATL細胞に対するレチノイン酸(RA)の効果を検討すると同時に、その機序としてレドックス制御系こおけるATL由来困子(ADF)thioredoxine(TRX)とGSH(還元型グルタチオン)の関与について検討した。。[方法]HTLV-1(+)T細胞株ATL-2,HUT102およびHTLV-1(-)T細胞株MOLT-4,JurkatをRAを10^<-11>〜10^<-5>Mの濃度で添加培養し、48時間後[^3H]-thymidineの取り込みを測定し、またIL-2Rα/CD25の発現の変化を観察した。さらに、thiol無添加培地を用いてHTLV-1(+)および(-)T細胞株のRA感受性の変化をviabilityと[^3H]-thymidineを用いて判定した。また、ATL-2をthiol無添加培地に10μg/mlADF,1μg/mlTRX,10^<-5>ML-cystine,10^<-4>M GSHを各々加え24時間培養後、RAを添加し、その後48時間培養後の[^3H]-thymidineの取り込みを観察した。また、PHA刺激健常人末梢血リンパ球に対する効果も検討した。[結果]ATL-2,HUT102ではRAを添加12時間培養で、CD25発現の減弱、12〜24時間培養で著名な細胞増殖抑制効果が認められたが、MOLT-4,JurkatではRAによる増殖抑制は観察されなかった。そこで、HUT102のsingle cloning を行いRAに対して感受性cloneと抵抗性cloneを樹立した。HTLV-1(+)T細胞株はthiol無添加培地では添加培地に比べ、著明なviabilityの低下と細胞増殖抑制が観察された。また、ATL-2細胞をthiol化合物の前処理により、RAの効果が減弱し、抵抗性を獲得する現象がみられた。また、RAは正常リンパ球に対しては、影響を与えなかった。[考察]RAはHTLV-1感染細胞に対して細胞増殖抑制を誘導することができ、その機序としてthiol依存性反応系を介する経路が示唆された。また、RAには免疫賦活作用もあり,ATL細胞特異的傷害活性を示し、ATLに対し理想的な治療法と考えられた。
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