Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1999: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
【目的】血小板活性化因子(PAF)は,虚血・再灌流(IR)障害において白血球の接着・浸潤等の炎症の惹起に関わる重要なメディエーターであり,近年,子宮内胎児発育遅延(IUGR)や妊娠中毒症の病態への関与も示唆されている.我々は,妊娠ラット子宮胎盤循環のIRによりIUGRが誘導され,この機序として白血球の接着・浸潤を介した子宮の虚血後低灌流が関与することを報告した.そこで今回,本モデルにおける虚血後低灌流の発生や白血病の浸潤にPAFが関与しているか否かについて検討した. 【方法】妊娠17日目のS/Dラットでハロセン麻酔下に片側の子宮胎盤循環を30分間虚血するIRモデルを使用した(n=26).虚血前に,PAF受容体拮抗剤であるTCV309(0.1mg/kg)もしくは生理食塩水を静注し,以下について検討を加えた.(a)IR前後の子宮組織血流量をレーザードプラ血流計を用いて計測した.(b)摘出子宮において白血球浸潤の指標であるmyeloperoxidase(MPO)活性を測定した. 【成績】(a)生理食塩水投与群において子宮血流量はIR後60分以降に虚血前の約70%に減少したが,TCV309投与群では,この血流現象は有意に抑制された(p<0.05).(b)生理食塩水投与群において,子宮のMPO活性は,IR前で0.08±0.02U/min/μg protein(mean±SE),再灌流後120分では0.52±0.20U/min/μg proteinとなり,IR後に有意なMPO活性の上昇を認めた.一方,TCV309投与群においては再灌流後120分のMPO活性は0.15±0.05U/min/μg proteinとなり,IR後のMPO活性の上昇は,有意に抑制された(p<0.05). 【結論】妊娠S/Dラット子宮胎盤循環IRモデルにおける子宮虚血後低灌流の発生や白血球の浸潤にPAFが関与していることが示唆された.
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