Project/Area Number |
10770617
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Digestive surgery
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Research Institution | 佐賀医科大学 |
Principal Investigator |
北原 賢二 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (30264162)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1999: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 細胞周期 / サイクリン / 胆道癌 / 肝臓癌 / CDK / p16 / p27 |
Research Abstract |
肝臓癌・胆道癌における細胞周期関連癌遺伝子・癌抑制遺伝子による細胞周期の制御と癌化との関係を明らかにするべく、G1サイクリン・cdkインヒビターの蛋白の発現を比較検討した。これらにより癌の組織型・深達度・進行度分類・リンパ節転移との相関関係を検索することで、肝臓癌・胆道癌の進展・増殖における細胞周期関連因子の重要性を明らかにすることを目的とした。【肝臓癌】肝細胞癌切除症例59例を対象とし、cyclin A,D1,Eやp16・p27・p21の各蛋白発現を検討した。cyclin Aでは全症例の24%に発現が認められ、cyclin A発現群は非発現群に比較して有意に予後不良であり(p=0.0009)、また、再発までの期間もcyclin A発現群において有意に短期であった(p=0.01)。肝細胞癌においてcyclin Aの発現は各病理学的因子との相関はなく、cyclinAの発現は独立した予後規定因子になりうる可能性が示唆された.【胆嚢癌】胆嚢癌切除症例40例を対象とし、細胞周期関連因子(cyclin A・D1・E・p16・p27・p21)の蛋白発現を検討した.細胞周期関連因子:cyclin D1の高発現群は予後不良傾向(p=0.148)であったが,予後と相関する各病理学的因子(n,pn,ly)とcyclin D1発現との統計学的相関は認められなかった.cyclin A高発現群においてはvとの相関が認められ(p=0.048)、cyclin E高発現群ではlyとの相関(p=0.041)が認められた。cyclin Aとcyclin Eの発現はそれぞれ単独では予後との有意な相関は認めないものの、両者の発現パターンには有意な相関が認められた(p=0.0075)。細胞周期を負に制御するCDKインヒビターであるp16・p27・p21の発現は予後・病理学的因子との相関は認められなかった。このような細胞周期制御を司る各遺伝子の蛋白発現の肝臓癌・胆道癌における総合的かつ詳細な報告はほとんどないのが現状であり、癌の進展・増殖・転移のメカニズムとの関連を明らかにする上で重要であるばかりでなく、細胞周期を抑制するような新しい抗癌剤の開発や遺伝子治療に結びつくと考えられる。
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