人工関節周囲骨溶解現象(オステオライシス)に関する基礎研究
Project/Area Number |
10770704
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Orthopaedic surgery
|
Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
高木 理彰 山形大学, 医学部, 助手 (40241707)
|
Project Period (FY) |
1998 – 1999
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
|
Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1999: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
|
Keywords | 人工関節 / 生体親和性 / 骨溶解 / 弛み / 骨吸収 / 骨形成 / 磨耗粉 / ポリエチレン / 骨溶解(オステオライシス) |
Research Abstract |
人工関節周囲に生ずる骨溶解機構を機構を解明するために、ラット動物モデルを用いて、インプラント周囲に生じる生体反応について、形態学、生化学、分子生物学的手法を用いて、骨動態並びに肉芽組織の検討を行った。(1)動物モデル:ラットの膝関節内の大腿骨遠位に骨孔を作成しセメントピンを刺入した。術後8週まで2週間ごとに関節内に平均3ミクロンと30ミクロンのHDP粒子を注入した。対照群として対側膝に血清のみを注入した。12週後に屠殺し、大腿骨及び関節包を採取し、インプラント・骨間の介在肉芽組織と関節包組織を作成観察した。Mφ、線維芽細胞、血管内皮細胞を主体とした介在肉芽組織の炎症反応は、3ミクロン群がより強い細胞性反応を示した。この骨の硬組織標本を作成して、共焦点レーザー蛍光顕微鏡で観察した結果、コントロール群では、インプラント周囲に僅かな新生骨形成とごく薄い線維性介在組織が観察された。HDP粒子注入群てはインプラント周囲骨の破骨細胞性骨吸収と旺盛な骨形成が観察された。テトラサイクリンによる骨の沈着様式は、linear patternのほかに、diffuse patern、patchy patternが観察され、骨形成速度は、対照群と比較して亢進していた。このように肉芽組織近傍の骨組織には骨形成性ならびに吸収性の複雑な骨動態が存在することが明かとなった。介在部の肉芽組織には、非弛緩性の組織と比較して、核酸・蛋白レベルで、MMP-1、-2、-3、-9、-13、-14、-15、-16、-17、IL-1 beta、IL-6、TNF-alphaの過剰発現の存在が明らかとなった。この動物モデルを用いた研究から、弛緩人工股関節周囲の骨溶解部では、磨耗粉に起因した異物肉芽反応と結合織代謝の亢進、インプラント周囲の高回転型骨代謝動態と脆弱化した骨質が存在し、病態形成に関与していることが明らかになった。
|
Report
(2 results)
Research Products
(5 results)