前十字靱帯損傷の治癒過程における成長因子の作用についての研究
Project/Area Number |
10770715
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Orthopaedic surgery
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松田 秀一 九州大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (40294938)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 1999: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 膝関節 / 前十字靱帯損傷 / 成長因子 / 前十字靱帯 / 生体力学 |
Research Abstract |
1.研究の目的:本研究の目的は損傷した前十字靭帯の治癒過程における成長因子の作用を検討することである。日本白色家兎の前十字靭帯に損傷を加え、現在までの前十字靭帯の細胞を用いたin vivoの実験で最も線維芽細胞増殖の効果があったBasic Fibroblast Growth Factor(b-FGF)を投与し、損傷靭帯治癒への効果を組織学的に評価した。 2.研究の成果:成熟日本白色家兎45羽を用いた。麻酔下に両膝の前十字靭帯を展開し、両側の前十字靭帯の中央部に2mmの横切開を加えた。1.4オgのb-FGFをゼラチン製剤30オgをキャリアーとして右膝関節内に徐放投与し、左側の前十字靭帯にはゼラチン製剤のみ投与し、対照とした。2週、4週,12週時にそれぞれ15羽ずつ屠殺し、組織学的検討を行った。2,4週時にはHE染色にて、b-FGF投与群においてはコントロール群に比して有意に強い細胞増殖が認められた。また、12週時にはコントロール群は靭帯損傷部位には組織の連続性がないままであったが、b-FGF投与群においては損傷部位にcollagenの増生が強くみられ、損傷部位は修復されていた。 3.臨床への応用および今後の研究の展開:前十字靭帯損傷は臨床上治癒することが困難とされ、再建術を余儀なくされることが多いが、本研究の結果より成長因子の投与によってその治癒が促進される可能性が示唆された。今後は関節内への投与量を変化させ、損傷靭帯治癒に対する効果および関節内の他の構成体に与える影響を考慮しながら至適投与量を決定し、臨床への応用を検討していく予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)