Project/Area Number |
10770720
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Orthopaedic surgery
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
乾 健太郎 大阪市立大学, 医学部, 助手 (00291592)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1999: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1998: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 骨延長 / 超音波 / 動物モデル / in situ hybridization / 透過型電顕 / 強度試験 |
Research Abstract |
【平成10年度に得られた成果】 ウサギを用いた骨延長モデルで、低出力超音波(超音波)照射により延長仮骨の成熟が刺激されていたことが、通常骨延長群では単純X線・骨強度試験の結果から、骨成熟不良延長群は単純X線による評価で確認できた。 以上の結果を踏まえて、平成11年度はその効果発現機序の検討のため、以下の実験を行った。 【平成11年度】 実験方法:超音波照射により、肉眼的には仮骨延長部の色調が対照群よりも、やや赤みを帯びていたことから、超音波照射により、血管新生が誘導されている可能性が強く示唆された。これを定量的に評価するため、最も組織新生が活発と思われる時期すなわち、超音波照射後10日目の標本の大腿動脈から硫酸バリウムを処置側後肢に充満させ、micro-CTを用いて仮骨延長部の血管床体積を計測した。micro-CTは50μm幅で仮骨延長部1cmの長さを撮影し、これをコンピューターにより立体構築した。一方、同時期の標本を透過型電子顕微鏡(SEM)でその微細構造を観察した。 結果:仮骨延長部の造影剤が充填された血管は、micro-CT画像から立体構築されたものを観察すると、超音波照射群で明らかに体積が大きいことが判明したが、標本数が少ないこと、立体像から面積を計算するソフトウェアーの開発が間に合わなかったことから、本年度中には定量的解析が終了しなかった。現在までに0、2、5、7、及び10日目の標本を各々5羽ずつ計45羽分の標本の内、約半数終了しており, また、ソフトウェアーの開発もほぼ終了している。一方、微細構造をSEMを用いて観察したところ、骨延長中心部の骨芽細胞内のミトコンドリアの数が超音波照射群で統計学的に有意に増加していた。この結果は上記の血管誘導の可能性を示唆する結果とも整合性を持つ。以上の結果から、超音波照射は新生血管を誘導し、かつ、骨形成細胞の好気性代謝を活発にすることで、骨延長仮骨の骨成熟を早めている可能性が、作用機序として考えられた。 なお、in situ hybridizationによる組織形態学的検索も同時に行っていたが、現在までにtype Iおよびtype IIコラーゲンの発現を観察したが、両群に有意な差は認めなかった。今後、FGFs等の発現も観察する予定である。
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