Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
提出した研究計画に従い,本年度は気道平滑筋収縮に対する環境変化,とくに低温暴露の影響について観察した.研究費は低温環境を作製するためにバイオウォーマー(ナリシゲ)を購入したほか,単離細胞等を作製する際に必要な消耗品等に充当した.本年度は前年度の平滑筋張力と[Ca^<2+>]iの同時測定の結果を踏まえてパッチクランプ法による電位依存性カルシウムチャンネル(VDC)活性の測定を行った.材料として雑種成犬およびブタの気管平滑筋組織を用いた.平滑筋組織をコラゲナーゼなどの酵素でインキュベートし,気管平滑筋の単離細胞を得た.得られた気管平滑筋細胞を用いて,倒立顕微鏡下で細胞をパッチし,パッチクランプアンプで膜電位固定した.ホールセルモードにてVDCを介して流入するカルシウムの内向き電流を得た.温度変化は37℃,31℃とし,一定の変化を得た後吸入麻酔薬イソフルランとセボフルランを暴露し,カルシウム電流の変化を観察した.低温暴露はカルシウムの内向き電流を有意に抑制した.この効果は吸入麻酔薬暴露時でも同様であった.不活性化曲線も有意に左方にシフトした.つまり,前年度に得られた低温暴露による[Ca^<2+>]iの低下の結果と一致する結果が得られた.低温暴露による[Ca^<2+>]iの低下の原因として,細胞膜電位依存性カルシウムチャネルの抑制が関与していることが考えられた.その効果は活性化ならびに不活性化状態でも観察された.受容体刺激薬による収縮の際に低温暴露が収縮を増強させるのは,カルシウムイオンに関与しない因子が考えられた.この結果は,喘息患者が低温暴露時に喘息発作を引き起こしやすいことと一致する.
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