Project/Area Number |
10770763
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Anesthesiology/Resuscitation studies
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
服部 聡 横浜市立大学, 医学部, 助手 (40275037)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1999: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | ヘルペスウイルス / HSV1 / ウイルスベクター / IRES / βーgilactosidase / グルタミン酸受容体 / VHL / GFP / NMDA受容体 / イオンチャネル / ヘルペスウイルスベクター / 中枢神経系培養細胞 / インターフェロン / 遺伝子治療 |
Research Abstract |
研究代表者はこれまでヒトを含め、広い宿主領域を持ち、神経親和性が高く、動物個体脳に直接注入して感染・発現できる非増殖性の欠損型ヘルペスウイルス(Herpes Simplex Virus type 1,HSV1)ベクター系を用いて神経科学研究に応用すべく、基礎データを集積してきた。また、グルタミン酸受容体、インターフェロン(IFN)-γ、インターロイキン(IL)-2、癌抑制遺伝子VHL等の各cDNAクローンのHSVベクター系の構築、細胞・個体への感染発現実験について、既に経験を積み実績を挙げている。しかしながら、本ベクター系はその取扱いの困難さから、麻酔科学研究への応用は十分にはなされていない。そこで、本研究では、HSV1ベクター系に改良を加えることで、麻酔科学領域における新しい研究系への可能性を追及し、他の実験系では得られないような新たな知見に結び付けていくことを目的として実験をすすめている。 1)βーgalactosidase(β-gal)遺伝子をレポーター遺伝子として組み込んだコントロールウイルスベクターを用いて、PC12細胞、ラット胎仔大脳皮質初代培養細胞において、X-Gal histochemistryからその感染効率がほぼ100%であることを確認した。さらにGFP(オワンクラゲ由来緑色蛍光蛋白質)遺伝子を用いて、生きたままの細胞で遺伝子発現や蛋白質の局在をモニターしうるような遺伝子改変体ウイルスを作製し研究を進めている。 2)これまで、マウスグルタミン酸受容体α1、ζ1、ε1、ε2、VHL組換型HSVウイルスを作製してきている。得られたウイルスについてPCR、ドットブロットで確認し、次にこれを感染させた種々の細胞においてmRNAおよび目的タンパク質が発現していることを確認した。これら遺伝子産物は、麻酔薬との相互関連があると考えられ、種々の麻酔薬の添加における電気生理学的、生化薬理学的変化の検討を行う予定である。 3)amplicon plasmid内の発現ユニットの下流にIRES(internal ribosomal entry site)配列とレポーター用のβーgal遺伝子を付加した共発現ウイルスを作製し検討した。しかしながら、このウイルスでは目的遺伝子の発現に比し、レポーター遺伝子産物のβ-galの発現が極めて低く、しかも安定しないことがわかった。また、改良型であるIRES2に置換しても大きな変化はなかった。現在は、異種発現ユニット、あるいは融合蛋白の系を用いた共発現系を新たに開発中である。 4)親ウイルスに変異株を使用することで、本ベクター系の欠点である細胞毒性を大きく低下させ得ることが期待される。細胞毒性に関与する遺伝子を欠失させたd97、d104、d109等の変異株を用いたHSVウイルスを新たに作製し、細胞に与える影響について検討を進めている。
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