生体蛍光プローブを用いた副鼻腔粘膜上皮の薬剤反応性に関する分子生物学的解析
Project/Area Number |
10770885
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Otorhinolaryngology
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
竹野 幸夫 広島大学, 医学部, 助手 (50243556)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | ヒスタミン / 線毛細胞 / 共焦点レーザ顕微鏡 / 副鼻腔粘膜 / 一酸化窒素 / 線毛打頻度 / DAF-2DA / FM 4-64 / 共焦点レーザー顕微鏡 |
Research Abstract |
慢性副鼻腔炎の病態の遷延化と重症化の原因として、局所粘膜に持続的に動員される好中球・単核球による組織障害が重要視されている。これらの細胞はサイトカイン・ネットワークを介して、上皮細胞の増殖・分化能力の調節並びに、ケミカルメディエータに対する上皮細胞の反応性にも影響を及ぼしていることが示唆されている。今年度の研究では昨年度に引き続き、styrylpyridinium系色素などの各種の蛍光プローブの細胞導入技術を活用し、ヒト培養副鼻腔上皮細胞を標識し、線毛細胞における受容体介在型endocytosisの過程とゴルジ装置・分泌顆粒などの細胞内小器官の動態の解析を行った。すなわち代表的なケミカルメディエータであるヒスタミン刺激反応については、1)10-3〜10-5Mの刺激に対して約20%の線毛打頻度(CBF)増加が認められ、2)この反応はH1受容体を介していること、3)線毛細胞のapical surfaceにおける活発なendocytosisの可視化、を解明した。さらに本年度は、代表的な炎症性サイトカインであるTNF-αが線毛細胞に及ぼす影響と、近年着目されている一酸化窒素(NO)の役割について検討した。NOの可視化には新たに開発された蛍光プローブであるDAF-2 DAを用い、培養細胞よりのNO産生をリアルタイムに可視化・定量化を行った。この研究では、1)TNF-αの作用はその刺激濃度によって、CBF亢進(低濃度)とCBF抑制(高濃度)と相反する面があること、2)培養線毛細胞よりのNO産生はTNF-α刺激により著明に増大すること、3)線毛細胞における異なったNO産生酵素(NOS)の誘導が可能であること、が明らかになった。これらの結果は、NOが有する鼻副鼻腔の生理的恒常性の維持と、炎症活動維持のメディエータという多面性を示しているものと思われた。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)