前眼部免疫抑制機構(ACAID)の復元による角膜移植生着率の検討
Project/Area Number |
10770946
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Ophthalmology
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
佐野 洋一郎 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (90295668)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | ACAID / 角膜移植 / 拒絶反応 / 免疫寛容 / サイトカイン / 抗原認識 / 遅延型過敏反応 / 細胞傷害性T細胞 / 細胞性免疫 / 炎症 / ACAZD / Fas Ligand / ランゲルハンス細胞 |
Research Abstract |
正常眼では前房内に挿入された抗原に対する抗原特異的な遅延型過敏反応の抑制(Anterior Chamber-Associated Immune Deviation;ACAID)が生じることが知られており、この免疫抑制が角膜移植の長期生着に貢献していると考えられている。そこで、同様の現象をin vitroにてtransforming growth factor-beta(TGF-β)の存在下で培養したドナーの抗原提示細胞をホストに経静脈的に移入した後角膜移植を施行し移植片生着率を検討した。ドナーにC57BL/6マウスを、ホストにBALB/cマウスを用いて角膜新生血管を伴った"high-risk"角膜移植モデルで検討したところコントロール群では100%の拒絶を認めたのに対し、経静脈的にTGF-β処理後のドナー抗原提示細胞を移入したホストでは拒絶反応は37.5%であり、有意な拒絶反応の抑制を認めた。また、角膜移植後の拒絶反応時における移植片内のサイトカインの発現を定量し、局所における免疫反応について検討した。角膜移植後早期にはinterleukin-1(IL-1)やtumor necrosis factor-alpha(TNF-α)の非特異的炎症性サイトカインが多く検出され、4週後の拒絶反応時にはinterleukin-2(IL-2)やinterferon-gamma(IFN-γ)のT helper 1(Th1)型のサイトカインが拒絶された移植片にのみ検出された。これらの結果は角膜移植ではTh1の免疫反応が拒絶反応に強く関与しており、そのTh1を抑制するACAIDをホストに誘導することで角膜移植の生着率の向上が認められることを示している。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)