Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1999: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
1. 口腔癌における細胞周期調節因子の遺伝子異常 口腔癌培養株および手術材料における,種々の細胞周期調節因子の遺伝子発現について検討した。 (1) cyclinDおよびcyclnE 扁平上皮癌症例において,cyclinDおよびcyclinE mRNAの発現について検討した。cyclinDでは症例の約82%の症例,cyclinEでは約86%にそれぞれのmRNAの過剰発現が認められた。扁平上皮癌培養株6株においても同様の検索を行ったが,cyclinDでは6株中3株,cyclinEでは4株で同様の過剰発現が認められた。 (2) p16およびp27 扁平上皮癌・粘表皮癌および多形性腺腫において,p16およびp27蛋白の発現について検討した。p16に関しては,腫瘍組織および正常組織間で大きな差は認められなかったが,p27では明らかに,悪性腫瘍における発現が減弱していた。良性腫瘍では正常粘膜組織と同様の発現が認められた。 (3) p27とcyclinEの逆相関 p27蛋白の発現について検討した症例に関して,cyclinE蛋白の発現を検討したところ,有意に逆相関が観察された。 2. 細胞周期調節因子の発現に対する,サイトカインの影響 口腔癌培養株をサイトカインで処理し,種々の細胞周期調節因子の遺伝子発現について検討した。 (1) cyclinDおよびcyclinE 扁平上皮癌培養株6株をIL-1aおよびIL-6で処理し,その後のcyclinDおよびcyclinE mRNAの発現の変化について検討した。cyclinD mRNAの発現は,IL-1aにより増強されたが,IL-6では変化はなかった。cyclinE mRNAに関しては,無処理でcyclinE mRNAを発現していた細胞に関しては変化はなかった。しかし,無処理でcycylinE mRNAを発現していなかった2株について,IL-1a処理により,低レベルではあるがcyclinE mRNAの発現が誘導された。
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