Research Project
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
歯科領域における微細な骨の破壊や変化がCTの3D表示や再構成画像で何処まで再現できるのかという基礎実験を行うべく、最適なファントムの作製を前年度行った。そして今年度は継続分として、完成したファントムを1mmおよび3mmでのヘリカルスキャンを行い、ワークステーションに転送し、再構成を行った。その結果、スライス厚が3mmの場合は等価材の厚さが5mm以下のものでは再構成画像を構築した際に情報の欠落が大きく臨床上の使用に耐えないものであった。従って、これ以下は1mmスキャンにて撮影し、再構成構築を行った。骨等価板の0.5mmと1mmにおいては再構成描出能が悪く、ほとんど構築不可能であった。また等価材の間隔が1mmの場合、等価板同士の画像情報がパーシャルボリューム効果により一塊となり構築された。次に3mm、5mmの厚さにおいては所々情報が欠落する部位もあったものの、ほぼ完全なかたちでの立体構築が可能であった。しかし、等価材の間隔が1mmの場合は同様に等価板同士の画像情報がパーシャルボリューム効果により一塊となり構築された。また、これらの結果は撮影条件を変えた場合でもほとんど変化が認められなかった。以上より、骨情報の場合、3mm以下の骨梁は描出されない可能性がある。しかし、3mm以上の厚さがあっても隣接する骨との間隔が1mm以上ないと正確な厚さとして構築されない可能性がある。また骨のみの立体構築においては撮影条件の変化ではほとんど構築画像に影響は与えない。