Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 1999: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Research Abstract |
象牙質接着の長期耐久性において弱点とされる樹脂未含浸脱灰象牙質について,平成10,11年度を通しサルの歯を用いたin vivoおよびin vitroにおける変化を観察した.サルの歯に5級窩洞を形成し,リン酸にて象牙質を意図的に多く脱灰後,接着操作を行った.短期(7日)および長期(6ヶ月)保管後,接着界面における超微小硬さ測定機による接着界面付近の硬さ観察,3次元FE-SEMIによる接着界面の超微構造観察,X線解析装置による接着界面の元素分析を行った. 結果より, 1. 象牙質接着界面において,樹脂含浸層直下のリン酸で脱灰されレジンが浸透していない樹脂未含浸脱灰象牙質の硬さは,短期保管において健全象牙質と比較し有意に低かったが,長期保管後その部分の硬さが上昇することが判明した. 2.短期観察にて硬さの低かった層は,FE-SEM観察によりコラーゲン線維が多く露出していたが,長期保管後露出コラーゲン線維間にアパタイト結晶が析出している像が見られた. 3.元素分析により,長期保管後樹脂含浸層直下のアパタイト結晶が析出していた層のCa量が上昇していた. 以上より,in vitroにおいて長期接着耐久性が劣る原因とされている樹脂未含浸脱灰象牙質は,in vivoでは硬さが上昇し,またアパタイト結晶が析出することから,この部分は生体において再石灰化を起こし,健全歯質に近い状態にまで回復する可能性が示唆された.現在in vitroによる同部位の変化について確認を行っており,in vivoの結果と比較し検討を行っているところである.
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