Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1999: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
本研究の目的は歯肉結合組織中の培養線維芽細胞と人工歯根との接着機構並びに接着による細胞内伝達機構を生物学的に解明し,インプラント周囲の歯周組織の長期保存を図ることにある.本研究では現在骨内インプラントの主流である金属チタン材料と歯肉結合組織内の線維芽細胞との接着を生物学的に解明するため,まず細胞表面接着受容体であるインテグリンの発現と局在を明らかにし,さらにインテグリンによる細胞内情報伝達機構を蛋白質のチロシンリン酸化反応を検索する.またインテグリンの発現調節を行うことが知られるTGF-βの投与による観察を今回重点的に行う.現在前年度の培養系すなわちヒト歯肉結合組織由来の培養線維芽細胞を用いて生化学的および形態学的観察を行っている.まず組織培養用のカバーガラスと金属チタンプレートを牛血清アルブミンと高分子材料でコーティングし,TGF-βを添加することによりインチグリンおよびリン酸化チロシンの発現の変化を観察した.生化学的検索としてウエスタンブロッティング法により,インテグリンβ1抗体を使用し,TGF-βの濃度を0,1,10,100pMと変化させたところ濃度依存的な増加傾向にあり高分子材料上で特に著明であった.しかしその発現パターンについて現在検討中で環境変化(ガラス,金属チタン,高分子材料)により若千変化が見られそうである.一方,リン酸化チロシンの発現には今のところ大きな変化は見られず,総タンパク量の変化と同様なものであった.こちらは定量化実験を継続中で発現量の確認を急いでいる.さらに形態学的検索として同内容の免疫染色を行った.その結果はほぼ上記の生化学的実験の結果と同様であったが,リン酸化チロシンの染色像はインテグリンの発現量の増強に伴い,ほぼTGF-βの濃度依存的に強く染まった.
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