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¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Research Abstract |
顎口腔領域の先天奇形,腫瘍病変,外傷,炎症などによって歯や顎骨が欠損している症例に対して,骨移植とインプラントを併用して咀嚼機能を回復することは極めて有用である。しかし,このような症例のインプラント治療後の咀嚼機能の評価を定量的に行った研究は少ない。 本研究においては,まず多施設共同研究によって,わが国におけるインプラントを使用した顎補綴の現状を調査した。その結果,口腔悪性腫瘍に対する放射線,化学療法がインプラント治療にそれほど大きく影響しないことを明らかにした。 口腔領域における最も頻度の高い先天奇形である唇顎口蓋裂患者に対しては,顎裂部骨移植症例の長期観察を行い,天然歯が萌出した症例の頻度を明らかにするとともに,萌出しない症例においてはインプラントによる補綴治療が必要であることを明らかにした。 上顎切除症例や,上顎顎堤異常吸収症例に対してインプラントを行うための上顎洞底骨移植を行った場合の移植骨の経時的な変化に関してパノラマX線写真による計測を行った。その結果,骨移植後4か月を経過すると移植骨は減少する傾向にあるため,移植後3か月頃にはインプラント植立を行うべきであるという結論を得た。 顎骨切除症例の術前術後の形態的な変化を定量的に観察するための手段として,非接触レーザー3次元形態計測装置を用いた分析法を開発した。そして,顎骨の切除によって,顔面軟組織形態がそのように変化するかを定量的に予測する方法を確立した。 現在行っている研究としては,骨移植症例に対する咬筋,側頭筋筋電図測定,咀嚼圧測定,インプラント周囲の盲嚢測定,咀嚼能率測定などがある。これらのデータを解析していくことによって,インプラントを併用した,顎骨再建症例の術後機能評価を定量的に行うことが可能になると考える。
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