機能的構音障害児の構音動態および音響的特徴の解析とその言語治療への応用
Project/Area Number |
10771145
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Surgical dentistry
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
平井 沢子 北里大学, 医療衛生学部, 助手 (50286390)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1999: ¥100,000 (Direct Cost: ¥100,000)
Fiscal Year 1998: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 構音障害 / ダウン症 / 構音動態 / パラトグラフィー / 音響分析 / 分節的特徴 / 超分節的特徴 |
Research Abstract |
機能的構音障害に対する言語治療プログラム作成のための指針を得ることを目的とし、生成と知覚の両面から発話明瞭度低下の要因を探るため、ダウン症児とダウン症児と精神年齢が相当の健常児の発話について、エレクトロパラトグラフィーを用いた構音動態の解析を行った。 対象は14歳のダウン症児および8歳の健常児である。対象児に電極96個のエレクトロパラトグラフィー(Kay社製)を装用 させ、検査語としてはとくに舌尖部の動態を解析することを目的とし、かつ接触パタンの特徴を明瞭に評価できるように、拗音を含む/∫a//t∫a/を使用した。得られたデータを計算機に一旦ストアした後、10msec毎に舌と口蓋の接触パタンを求めた。なお聴覚的には目標音として聴取サンプルを選んで分析を行ったが、ダウン症児では摩擦の雑音成分が相対的に弱い傾向が認められた。 結果としてダウン症児では、健常児と比較して全体として接触面積が広くかつ後方に偏位する傾向が認められた。また接触の開始から接触面積が最大になるまで、および接触面積の最大時から完全に接触がなくなるまでの時間を比較すると、ダウン症児では接触の開始から最大接触までの時間が延長する傾向が認められた。接触範囲については、ダウン症児では摩擦のための狭めが相対的に広い傾向が認められた。 接触面積の広さおよび後方への偏位、接触の開始から接触面積が最大になるまでの時間の延長は、舌尖部の運動の巧緻性が未発達であることを示唆するものと考えられた。また接触範囲の分析から摩擦生成のための狭めが低い傾向が認められたことは、聴覚的な摩擦の雑音成分の相対的な弱さと関連がある可能性が推察された。以上のような知見は今後のダウン症児の構音訓練の方針を樹立する上で有用であると考えられた。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)