Project/Area Number |
10771189
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
矯正・小児・社会系歯学
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
釜崎 陽子 長崎大学, 歯学部, 助手 (30253678)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 1999: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 1998: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | コラーゲン / 象牙質透過性 / 歯髄内圧 / 接着性レジンモノマー / ハイブリッド層 / 象牙質接着性 / 走査型電子顕微鏡 / 象牙細管封鎖 |
Research Abstract |
1.コラーゲン混合溶液を象牙質表面に応用させると、象牙質表面に薄い一層のコラーゲンのフィルムが形成され、このコラーゲンフィルムは歯髄内圧想定下における細管内液の浸出を有意に抑制することはすでに報告した。今回は、コラーゲン処理時間別の象牙質透過性抑制効果を前回と同様歯髄内圧想定下に行った。その結果、コラーゲン処理によって象牙質透過性を抑制するためには60秒の処理時間が必要であることが判明した。 2.象牙質透過性が大きく影響を及ぼすと考えられるレジン系材料の接着機構について、コラーゲン処理による影響を調べた。接着システムには、All Bond2【○!R】とSuper Bond D LinerII【○!R】を使用した。 (1)象牙質に対するコラーゲン処理の有無別に、接着界面に形成されるハイブリッド層の厚径をSEM画像上で計測を行った結果、どちらの接着システムを使用した場合にも、コラーゲン処理側の方で有意に厚いハイブリッド層の形成が認められた。コラーゲン処理後の象牙質表面に対して、接着性レジンモノマーの浸透は阻害されていないことが判明し、むしろ促進的な効果が示唆された。 (2)コラーゲン処理後の象牙質に対するレジンの接着性は、いずれの接着システムを用いた場合も有意差を認めなかった。コラーゲン処理後の象牙質表面に対するレジンの接着性は有意な影響を被らないと考えられた。象牙質透過性の抑制は、細管内液の移動抑制、ひいては歯髄への刺激伝達抑制に関連する事象であり、今回の一連の研究によって、コラーゲンの応用を象牙質知覚過敏症の治療法へと発展させることの可能性が示唆された。また、楔状欠損等の知覚過敏症の治療の一貫として、あるいは細管内液のコントロールが困難な歯髄近くの象牙質に対して、レジン修復を行う場合等に有効性が示唆され、象牙質透過性の抑制効果についても考慮すれば、さらに有利な効果を発揮することが期待できると考えられる。
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