増殖因子存在下における歯根膜線維芽細胞の走化活性と細胞周期の関係
Project/Area Number |
10771217
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Periodontal dentistry
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
淺原 洋士 徳島大学, 歯学部・附属病院, 助手 (30294713)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1999: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Keywords | 歯根膜線維芽細胞 / 細胞周期 / 走化活性 |
Research Abstract |
【目的】 近年,歯周治療は再生を念頭に置いたものに変わりつつある。再生療法の更なる発展のためには,歯周組織再生機構を正確に把握することが必要である。例えば,年齢の異なる二名に同様の歯周組織再生治療を施した場合,一般的に高齢者の再生は若年者ほど良好でないことが知られている。これは,細胞周期に関与する蛋白発現量の変化に伴って起こる増殖活性の低下が原因の一つであるとされている。 歯周組織再生において,歯根膜線維芽細胞の遊走と増殖の関係は非常に重要であるため,老化に伴う歯根膜線維芽細胞の走化活性を調べることは意義のあることである。本研究は,老化した細胞の蓄積が高齢者の細胞の走化活性の低下の一因であるという仮定に基づき,細胞の遊走能と加齢の関係,増殖能の低下との相関関係について調べた。 【材料と方法】 歯根膜線維芽細胞の走化活性は同意の得られた3人の若年者と4人の成人から採取分離したものを用いて比較した。その際遊走した細胞としなかった細胞それぞれについて,細胞周期のいずれかの時期にあるかを形態学的および免疫組織化学的な手法で同定した。また,それぞれの細胞についてc-fosおよびc-myc mRNAの発現をin situ hybridization法を用いて調べた。 【結果】 成人から採取した細胞は若年者の細胞と比較して有意に低い走化活性を示した。遊走した細胞の中にはS期およびM期の細胞はなかった。また,遊走した細胞すべてがc-fos mRNAを発現していたのに対し,遊走しなかった細胞の中にはc-fos mRNAを発現していない細胞があった。 【結論】 歯根膜線維芽細胞の走化活性は増殖活性同様に加齢とともに減少する。細胞は老化するとc-fosを発現しなくなることから,高齢者の走化活性の低下は,細胞自体の老化と関係があることが示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)