Project/Area Number |
10771252
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Chemical pharmacy
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
小島 啓介 名古屋市大, 薬学部, 助手 (40275144)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 1999: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1998: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | PCR / differential display / sho-saiko-to / cytochrome P-450 |
Research Abstract |
小柴胡湯は慢性肝炎における肝機能障害の改善を目的として用いられている。この小柴胡湯の臨床での効果を証明するために、数多くの実験的な研究が報告されている。しかし、小柴胡湯が実際に肝臓内でどのような遺伝子、または蛋白質の発現を制御しているのかについてはほとんど分かっていない。またこれは小柴胡湯に限らず、すべての漢方薬についていえることであるが、その作用機序については不明な点が多い。 そこで我々は、発現量の変化する遺伝子を効率よく検索し、その構造や発現様式などの解析するため、PCRを利用したdifferential screening法であるdifferential display法を用いて小柴胡湯によって制御される肝臓内の遺伝子についての解析が可能であると考えた。differential display法は任意の配列のプライマーをPCRに用いることで複数のcDNA断片を同時に増幅しゲル電気泳動で展開後、得られたフィンガープリント間の比較により特異的発現パターンを示す分子種を同定する方法である。 小柴胡湯を6週令ICR雌性マウスに経口投与し、小柴胡湯群およびノーマル群の肝臓を摘出した。得られた肝臓から全RNAを抽出した。ディファレンシャル・ディスプレイ法により得られた小柴胡湯により肝臓で発現を制御されていると考えられるcDNA断片を大腸菌に組み込み増幅し、DNAシークエンサーにより得られたcDNA断片の配列を決定し、ホモロジー検索によりcDNA断片の同定を行った。得られたcDNA断片はmouse teststeron 16alpha-hydroxylase(Cytochrome P450_<16α>)と非常に高い相同性を示した。またノーザン・ハイブリダイゼーションにより配列を決定したcDNA断片の発現量の違いを比較したところ、小柴胡湯によりこの遺伝子の発現が増加することが確認された。 本研究は、小柴胡湯によってマウス肝臓内で発現が制御されている遺伝子を単離しその機能について、differential display法を用いて調べたものであり、この研究は漢方薬が遺伝子の働きに与える影響を解明していく上での端緒になるものである。
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