タンパク質の膜間移行現象を応用した新規癌ワクチンの開発
Project/Area Number |
10771269
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Physical pharmacy
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
小暮 健太朗 徳島大学, 薬学部, 助手 (70262540)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1999: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1998: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | リポソーム / タンパク質膜間移行 / 癌ワクチン |
Research Abstract |
本研究は、理想的な膜タンパク質の再構成方法として注目されつつあるタンパク質の膜間移行現象を応用することにより、外部から投与した抗原タンパク質(タンパク質再構成リポソーム)を膜間移行させ、癌組織に免疫原性を付与することを目指した新規癌ワクチンの開発を目的としたものである。期間中に申請者は抗原タンパク質として着目したヒト赤血球バンド3タンパク質を、モノクロナール抗体を用いたアフィニティークロマトグラフィーにより単離・精製し、界面活性剤除去法によってリポソームに再構成することに成功した。さらに、ヒト赤血球膜から抗原となるバンド3タンパク質をリポソーム膜に膜間移行法によって移行・再構成することに成功した。また、並行して移植癌モデルの作成も行い、ラット胸脇部に腫瘍を形成させたモデルを確立した。これまでの知見を元にタンパク質移行法によりバンド3タンパク質再構成リポソームを作成し、そのワクチンとしての効果の検討を試みたが、抗原タンパク質再構成リポソームは大量調製が困難であったため期待したような効果は得られなかった。この点は今後の課題である。しかしながらin vitroでの培養細胞を用いた抗原タンパク質移行のモデル実験において、脂質膜組成や膜の物理化学的性質がタンパク質移行に及ぼす影響について詳細に検討を行った結果、抗原タンパク質の膜間移行に影響を及ぼす脂質膜の物理化学的因子を示差走査熱量測定等の実験から明らかにすることに成功した。すなわち、受け手となる脂質膜が相分離の状態にある場合、タンパク質移行が著しく促進されることを見出した。このことは、これまでに報告されていない新しい知見であり、今後の膜タンパク質移行研究にとって有益なものであると考えている。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)