アルツハイマー病発症におけるプレセニリンの意義について
Project/Area Number |
10771281
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biological pharmacy
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
富田 泰輔 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (30292957)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1999: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | プレセニリン / アルツハイマー病 / βアミロイド |
Research Abstract |
家族性アルツハイマー病の発症機構を明らかにするため、プレセニリン遺伝子の変異がアルツハイマー病脳に沈着するアミロイトβペプチド(Aβ)の産生・分泌に与える影響とプレセニリン蛋白の代謝の関係を検討した。家族性アルツハイマー病変異を持つプレセニリン2遺伝子を培養細胞に発現させると、凝集性の高いAβ42の産生が上昇する。しかし最C末端にアミノ酸置換等を行うとこの効果が失われ、同時にプレセニリン蛋白自体の安定化・断片化が生じなくなることを見出した。そこでプレセニリンの限定分解部位を欠損させ、断片化されないプレセニリン2分子を発現させた。するとこの蛋白は断片化されずに全長の状態で安定化された。さらに家族性アルツハイマー病変異を導入するとAβ42産生を上昇させ、野生型分子と同様の効果を起こした。一方第7膜貫通ドメインのアスパラギン酸をアラニンに置換した分子は内因性プレセニリン活性を阻害し、Aβ産生を低下させ、ドミナントネガティブ効果を示した。この分子は断片化を受けないが、全長の状態で安定化されていた。これらのことから安定化を受けたプレセニリン2蛋白がAβ産生に関わる活性型分子であり、断片化は必須ではないと考えられた。またこの活性型プレセニリン2分子が発生に関わる分子であるNotchの限定分解にも関与していることを明らかにした。今後プレセニリンを安定化させる分子機構に最C末端が果たす役割について、プレセニリン分子の構造にかかわる可能性と安定化因子との結合部位であるの可能性の両面から検討する。
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Report
(2 results)
Research Products
(13 results)