Budget Amount *help |
¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 1999: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
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Research Abstract |
本研究では,使用する物質固有の性質に依存せずに濡れ特性を自由に設計することを目的として,電気的に発生させた表面電荷によって固体表面の濡れ特性を制御するという従来とはまったく異なった新しい制御法を提唱する。本年度の研究では,固体表面の水に対する滑れ特性の表面電荷依存性の実験結果を解析することで,表面電荷によってどの程度,濡れ特性が制御できるかを明らかにした。例えば,固体表面に原子1個あたり1電子分の表面電荷を与えたとすると,濡れ特性の指標である接触角が30度ほど低下する。さらに,表面電荷による濡れ特性の変化の特徴として,つぎの2点を明らかにした。 1)固体に接する水の量が少ないほど表面電荷を与えたときの接触角の変化が大きくなる。よって,大きさの異なる水滴に対して,濡れ特性を均一に制御することは困難である。 2)固体に水が接する際,条件によっては,固体から水に水素イオンが放出されることがある。生活環境中での濡れの制御では,水道水や雨水といった緩衝作用が乏しい液体を対象にする必要があるが,これらの液体に水素イオンが加えられると,酸性化する。 従来のフッ素加工に代表される化学的修飾による濡れ特性の制御では,固体の物性に強く依存する代わりに液体の性質はあまり重要ではなかった。一方,本研究で提唱する表面電荷による制御法は,固体の物性に依存しない代わりに,接する液体の量に依存したり,液体が磁性化したりする。今後,洗浄の効率化や窓ガラスの結露の予防へ応用するには,使用環境を考慮する必要がある。
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