学校数学における数学的推論の理解を促進する課題構成法に関する研究-認知学習理論の科学教育実践への適用方法論の検討-
Project/Area Number |
10780098
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Science education
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Research Institution | Naruto University of Education |
Principal Investigator |
益子 典文 鳴門教育大学, 学校教育学部, 助教授 (10219321)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1999: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 認知科学 / 課題分析 / 問題解決 / 数学教育 / 初等代数 / 教育実践 |
Research Abstract |
本研究の当初目的に沿って、成果を述べる。 1.問題解決過程の認知的分析に基づく「数学的推論の抽出法」 学校教育で学ぶ教科内容の分析のためには、「数学的概念のよさ」や「効果的な判断」など多様な価値を含む推論を抽出する必要がある。本研究では、グラウンデッドセオリーに基づく質的分析法を課題分析に適用することを試みた。初等代数の文字式の論証(中学校2年次)を対象として、全271問からなる課題データベースを作成し、課題に含まれる数学的推論を質的に分析し、認知的な教育目標の抽出を行った。さらに、臨床心理学の「とらえ直し(retrospection)」の概念で方法論としての定式化を図った。抽出された文字式の「意義」(対象に含まれる要因を整理することができる、等)は、単純な文字の意味ではなく、文字の語用論的意味(プラグマティックな意味)に相当するものである。学習者の理解に関する調査を行った結果、語用論的意味の提示は、特に成績中位の学習者に対して有効であることが実証された。また、同一の手法を、コンピュータ操作技能の学習にも適用し、一定の成果を収めた。 2.数学的推論をうまく適用できる「場面の設定法」 抽出された認知的教育目標に対し、特に立式過程における数学的推論の理解を促進する条件を明確にするため、「カレンダー課題」に操作を加え、実験を行った。その結果、部分的に有効であると思われる条件が見いだされたが、全般的に有効であるという結果は得られなかった。 教材開発は、教育目標の構造を明らかにするための「目標分析」と、目標達成のために学習者に取り組ませる対象、使用する手段、および学習者のための具体化されたプロセスの作成や選択のために行われる「教材分析」との2つの分析に基づいて行われる。目標分析については一定の成果が得られたが、教材分析については今後さらに検討を加て行く。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)