青少年の音楽メディア受容およびメディア・リテラシーに関する社会学的研究
Project/Area Number |
10780128
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
教科教育
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Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
橋本 恭子 (小泉 恭子) 兵庫教大, 学校教育学部, 助手 (10273822)
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Project Period (FY) |
1998 – 1999
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1999)
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Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 1999: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 音楽メディア / メディア・リテラシー / ポピュラー音楽 / 社会学 / ジェンダー / 高校生 / エスノグラフィー / 音楽教育 |
Research Abstract |
メディア教育の一環として音楽教育を再構築することを目指す本研究では、まず、平成10年度には「ポピュラー音楽」 「ジェンダー」をキーワードに、青少年の音楽メディアへの関わり方の分析をとおして問題を焦点化した。音楽メディア教育研究の基礎的資料を整えるため、青少年の音楽メディア受容やポピュラー音楽聴取の実態を、エスノグラフイーの手法により解明した。1998年4月から9月にかけて、阪神間のA高等学校をフィールドとして音楽の授業や学校行事などの観察および生徒への聞き取り調査を行い、女子高校生/男子高校生のポピュラー音楽の使用戦略のジェンダー分化状況を明らかにした。音楽教育の場、特にメディア教育の導入的段階においては、女子高校生・男子高校生ともに自らが強くコミットするパーソナル・ミュージックを隠蔽する傾向にあるが、その包み隠しの戦略は大きく異なる。すなわち、男子生徒が仲間内で趣味の差異化を図ることによりグループアイデンティティを保つのに対し、女子生徒は世代共通の音楽やスタンダードを公の場で巧みに用い、パーソナル・ミュージックの守秘に成功していることを見いだした。加えて、セミフォーマルな場である高校生バンドイベントや、インフォーマルな場であるヴィジュアル系ロックバンドのコスプレ集会への参加者にもインタビューを行って、各フィールドにおける青少年の音楽メディアならびにポピュラー音楽への意味付与状況を比較検討し、音楽教育という制度が青少年の音楽メディア観にイデオロギー的に作用するメカニズムを顕在化した。平成10年度に得られた以上のような知見をもとに、次年度は、音楽メディアに批判的に対処できるリテラシーを育成するメディア教育の一環としての音楽教育の具体像についてまとめる予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)