Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Research Abstract |
本研究の目的は,数学定数をできるだけ正確に求めるために,多倍長計算を並列計算機で実行するためのアルゴリズムの確立および実際に計算して得られた数学定数の乱数性の検定が挙げられる.今までに逐次計算機およびベクトル計算機において,多倍長計算を行うアルゴリズムおよびプログラムが多く提案されている.しかし,逐次計算機およびベクトル計算機の単一プロセッサーの性能は,近年限界に近づいてきており,これらに代わる計算機として,最近は並列計算機が主流になりつつある.したがって本研究では,並列計算機に適合した高速多倍長計算のアルゴリズムの研究を行った. 多倍長計算においては,乗算をいかに高速に計算するかが鍵となる.これを高速に計算するアルゴリズムとして,高速フーリエ変換(FFT)を用いる方法が知られている.この場合,FFTの処理が実行時間の大部分を占めることから,FFTを並列計算機上で効率良く行う並列FFTアルゴリズムについても研究を行った.多倍長計算においては,実数データを用いるために,複素数FFTは無駄が多いことが指摘されているが,今回研究を行った並列複素数FFTは,容易に並列実数FFTに変更が可能なことが明らかになった.これらの研究成果をもとに,Daisuke Takahashi,Yasumasa Kanada:High-Performance Radix-2,3and 5Parallel 1-D Complex FFT Algorithms for Distributed-Memory Parallel Computers,The Journal of Supercomputing,Vol.15,No.2,pp.207-228(2000)に発表した.
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