Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
本研究ではオブジェクト空間分割型並列計算モデルに基づく並列マルチパスレンダリング法の基本部分を2つの言語で構築した.光の伝搬問題を計算する代表的なアルゴリズムとしては,光を光線として離散化するレイトレーシング法と,熱の放射問題としてとらえるラジオシティ法の2つがある.これらのアルゴリズムについては本研究者がオブジェクト空間分割型並列計算モデルに基づく並列化により,統一して効率良く並列計算可能であることをシミュレーションにより確認していた.初年度にはこのアルゴリズムの一部を分散メモリ型の並列計算機である.IBM社製のSP2上に一部実装した.その結果,32台のSP2において,並列化レイトレーシング法,並列化ラジオシティ法共に50%近くの効率で動作させることが可能であることを示した.その際の負荷分散の方式として,或るタスクの発生が一極に集中するような場合であってもそのタスクの消費が空間に広く渡っている場合に並列計算の効率を高く保つ手法を新たに提案した. また,並列数値計算の分野では,計算機ベンダあるいは計算機そのものが異なるとプログラムを変更する必要があり,近年,加速度的に複雑になっていくプログラムの開発コストの高騰化が問題となっている.そのため,ポータビリティの高いJava言語が着目されているが,Java言語による並列分散計算の試みはまだほとんどなされていない.本研究ではオブジェクト空間分割型並列計算モデルは言語によらないモデルであることを主張しており,次年度ではこれを示すためによりポータビリティの高く,さまざまなプラットフォームに対応したJava言語上に本手法を実装した.その結果,本研究のモデルに基づく並列計算が有効であることを示した.
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