Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 1999: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
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Research Abstract |
平成11年度において本研究は,グレースケールのテクスチャ画像を対象に,テクスチャに対する人間の印象の要因となる微小形状要素を同定し,それを抽出する「形状通過型フィルタバンク」の実現評価をおこなった.そして,分解能の異なった時に人間に対する印象が異なるテクスチャを,フィルタバンクを多段に適用し高次の特徴抽出によって判別した.これを通じ,人間がテクスチャ判別において何に影響を受けるのかを明らかにすることを目指した結果,次の知見を得た.階層的なテクスチャ特徴では,上位階層すなわち,形状特徴の空間配置により構成されるメタテクスチャの特徴は,周期性の有無などであり,形状通過型フィルタだけではなく,周波数領域上で動作する非線形フィルタなどと組み合わせる必要がある.研究当初想定していたような,下位の形状特徴が集まって上位の形状特徴を構成するようなテクスチャのサンプルは,あまり見受けられず,抽出するのは困難であった. 研究の発端となった,人間が見てあきらかに印象が異なるものの形状通過型フィルタでは識別できないようなテクスチャ,豆が堆積したようなテクスチャと細長い雑草の群生のテクスチャなどは,多段フィルタによって特徴の空間配置を捉えるのではなく,形状特徴の大きさに着目して複数の分解能の画像から形状特徴を抽出し,「形状×大きさ」という多数の特徴量の中から有効なものを選択することで識別が可能であることが分かった.このように,本研究により人間がテクスチャの判別において何に影響を受けるのか,いくつかの要因を突き止めることができた.しかし今後さらに,本研究による微小形状要素,その大きさ,空間配置などの特定の要因を組み合わせた合成テクスチャの作成方法を考案するなどの方法で,詳細な人間の感覚量の数値的評価を進めていく必要がある.
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