Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1999: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
本研究では,中枢神経系神経細胞の代表的な確率モデルとして拡散過程モデルに焦点をあて,モデルの振る舞いを解析・比較した. まず,逆転電位を考慮した拡散過程モデルとして,Hanson and Tuckwell(1983),Lansky and Lanska(1987)およびGiorno et a1.(1988)によってそれぞれ提案された3つのモデルに対して,4次までの初通過時間のモーメントを与える公式を導出した.(ただし,Hanson and Tuckwell(1983)のモデルに対しては,このモデルの近似モデルとして反射壁をもつOrnstein-Uhlenbeck過程を仮定し,このモデルについてのモーメント公式を用いた).これらのモーメント公式はすべて,数値計算に適したべき級数で表される. 次に,これらの公式を用いて,モデルの発火間隔の4次までのモーメントを数値計算し,発火間隔の平均,変動係数,歪度,尖度を用いて,モデルの振る舞いを解析・比較した.その結果,次のような知見が得られた. 1 近似モデルの振る舞いから,Hanson and Tuckwell(1983)のモデルではとりうる発火間隔の変動係数の値には上限があり,生理実験によりこれまでに報告されている変動係数の値を十分には再現できない. 2 Lansky and Lanska(1987)およびGiorno et a1.(1988)のモデルにも,やはり,発火間隔の変動係数の値には上限があるが,その上限は比較的大きな値であり,生理実験により報告されている変動係数のほとんどの範囲を再現することができる. 3 逆転電位を考慮したモデルのPearsonプロットは,ガンマ分布族を表す直線の下側のごく限られた領域に制限され,逆ガウス分布を表す直線とは重ならない.(Pearsonプロットは,横軸に歪度の二乗を,縦軸に尖度をプロットしたもので,ある分布族がどのような形状の密度関数を生成しうるかを調べることができる.逆ガウス分布族は生理実験から得られる発火間隔ヒストグラムをよく再現することが知られている.)
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