Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 1999: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
|
Research Abstract |
需要密度と施設密度の理論的関係を導き,実際の施設寿命と需要密度の変化率の動向と,施設密度との関係の理論との整合性を検証した結果,以下のことが明らかとなった. (1)東京特別区の都心区では,少子化と人口流出による児童・生徒数の急減に伴い,統廃合が進んできたが,小学校は1校当たり250〜300人程度,中学校では200〜250人程度(全国平均はともに400人程度)に抑えるように進められていることが明らかとなった.また,遠距離通学者数の比率は,小学校,中学校とも,それぞれ1校当たり児童・生徒数が減少し始めた1981年,1987年を底に増加に転じていることがあきらかとなった. (2)移動損失最小化(minisum基準)の理論から,連続平面上での最適な施設密度は需要密度の2/3乗に比例するという関係が導かれた(多施設ウェーバー問題).また,東京大都市圏市区町村を対象に検討した結果,この関係が離散型需要分布とネットワーク空間(Delaunay網・最小木・現実の交通網パターンなど)でもほぼ成立することが確かめられた(p-メディアン問題).小中学校については,通学距離が配置の都道府県別,東京特別区別の学校密度と人口密度の関係も,大局的にはほぼこの法則に従った関係があることが明らかになった. (3)東京特別区の都心区部における地理情報データベースを構築し,統廃合前後の学校分布と人口分布変化を分析した結果,上の需要密度と施設密度の関係が保たれるように統廃合が進められていることが明らかとなった.今後の学校統廃合の計画立案は,人口分布の変化を予測した上で,上の関係から外れるような地区が生じた場合に検討されるべきであることが分かった.
|