Budget Amount *help |
¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 1999: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1998: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
本研究は,成膜プロセス用電子サイクロトロン共鳴(ECR)プラズマにおいて,反応領域における最も基礎的なパラメータの一つである電子速度分布関数と,成膜の再現性との関係を明らかにすることを目的としている。昨年度は,電子速度分布関数の測定システムの製作および電子速度分布関数解析のためのECRプラズマシミュレーションコードの開発行った。引き続き,本年度は以下の研究を行った。 1.電子速度分布関数の測定 ラングミュアプローブを自作し,昨年度製作した自動測定システムを用いて,電子速度分布関数の測定を行った。測定に要する時間はデータ解析も含めて数秒程度であり,プラズマの経時変化にも対応できるものであった。アルゴンプラズマで測定を行ったところ,シミュレーションとほぼ一致し,ECRプラズマの特徴である高エネルギー尾部の存在も確認できた。次に,ダイヤモンドライク薄膜生成を前提に,メタンプラズマで測定を行った。スイッチング素子としてフォトMOSリレーを用いて,負バイアス電圧の印加によるイオン衝撃およびプローブ加熱を行い,プローブ汚染の影響を極力軽減した。しかし,測定データの再現性に問題があり,測定システムのさらなる改善が必要である。 2.電子速度分布関数の形成機構の検討 最近,プロセスプラズマにおいても,ECR加熱以外の加熱機構,すなわち高域混成共鳴(UHR)加熱がプラズマパラメータに大きな影響を与え得ることが指摘された。そこで,本研究で開発した計算コードを用いてシミュレーションを行った結果,密度が10^<11>cm^<-3>程度以下のプラズマでは,周辺部でUHR加熱が起こり易く,電子速度分布関数にも大きな影響を与える可能性を示した。この研究成果は,第2回プラズマ表面工学に関するアジア・ヨーロッパ国際学会で発表し,また,応用物理学欧文誌(JJAP)や米国応用物理学会誌(JAP)に掲載となった。
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